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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第伍幕「始動」
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第伍幕の拾壱

一つの謎が解けます。

「おやおや。あなたたちが噂の。あいにく本に夢中で素顔を見逃してしまいましたが、その必要はないでしょう。なぜなら、私に倒されるからです」

 待ちわびた相手の到着に、ハードカバーの本を閉じるスキロス。

 その直後、かりんがさくらに駆け寄って声をかける。

「そういえば、振袖小町って決め台詞とか名乗りポーズってないの? こういうのには絶対必要だと思うだけど」

 質問した側からは素朴な疑問ではあったが、された側からしたらそんなお約束など知るはずもないため回答に困りあおいに相談する。しかし……。

「そんなこと私に言われても……。アイリスはどう思う?」

「あるとかっこいいとは思うけど、いきなりは思いつかない……」

 変身したと思ったと思ったら突然会議をし始めた振袖小町を見て、スキロスは呆気にとられてしまう。

「何の相談をしているんですか……。と、とにかく攻撃です、ネガボット!」

「ネガァァ!!」

「じゃあこんなのは? ……きゃあっ!」

 襲いかかろうとしているネガボットの巨体にも気づかず会議が続くが、強烈なタックルによって強制終了。振袖小町は全員別の方向に飛ばされるが、辛うじて着地には成功する。

「あなたもプチッツァやティーガーの仲間ね!」

「その通りです……が、これから我々のことはオリエント・ゾディアックと呼んでいただいてもよろしいでしょうか?」

「オリエント・ゾディアック……。なんかかっこいい名前だけど、悪い奴には帰ってもらわないとね!」

 オリエント・ゾディアック。それが「世界を創りかえる組織」の名だった。

「この学校にはちょっと野暮用がある相手がいまして、残念ですがお断りさせていただきます。おっと、申し遅れました。スキロスと申します。あなたたちには我が理想郷を作るための礎になっていただきましょう!」

「そうはさせない!」

「しかし、ネガボットは相当怒ってますねぇ。彼はあなたたちのように自分が愛しているものに無関心な人ばかりなことに悲しんでいましたよ?」

 倒れている戎を指差してスキロスは言い放つ。部室を巡る一件でラグビー部が部ではなくなってしまったことに対して冷たい言葉を言ってしまったことを反省するさくらたち。

 校庭に散り散りになった振袖小町4人に囲まれるように立ったネガボットがボールを持って構える。すると、少し離れた位置に立ったスキロスが高らかに宣言する。

「さて、あなたたちにはこれからラグビーボールのみを武器に戦っていただきます!」

 突然の宣言に、呆気にとられる振袖小町。

「そんなこと言われても、ラグビーなんてやったことないし……」

 宣言を無視して振袖小町たちは戦うべくそれぞれの武器を出す。が、それぞれの武器に向けてネガボットがボールを投げ、破壊されてしまう。

「先ほどラグビーボールのみを武器に戦っていただくと言いましたよね? ラグビーには剣や槍、手甲、それに弓は使わないって、初心者でもわかりますよね?」

 完全にバカにした口調での武器使用禁止ルールを制定されたことに、さくらとかりんは怒りがこみあげてくるが、そこをあおいとアイリスがなだめる。

「と、とにかくこれからラグビーボールだけで戦わなきゃならないみたいね! サッカーで鍛えたフィジカルを見せたげる!」

 やる気満々だったアイリスをよそに、あおいはラグビーという未知のスポーツに近いルールで戦うことに心配を隠せなかった。

「大丈夫だよ、あおい。今はアイリスちゃんとかりんちゃんもいるから!」

「そうだよ! 絶対大丈夫だよ!」

 さくらとかりんの励ましに、あおいもラグビーボールだけを武器として使うことができるという変則的な対決に応じる。

奴らの名は、オリエント・ゾディアック。和訳すると十二支のことです。誰がどの干支かわかるかな?

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