第壱幕の陸
皆様お待たせいたしました。ここから現代に突入です。
それから350年ほどの長い月日が流れ、現代。あれから江戸は「東京」と名を変え、数々の歴史と、数えきれないほどのたくさんの出来事を見守ってきた。
そんな東京のとある下町に、少女たちは暮らしていた。ある日の夜、不思議なことに彼女たちは全く同じ夢を見ていた。
夢の中で、白い着物を着た少女が何もない真っ白な空間で彼女に語り掛けてくる。その声は切羽詰まったもので、刻一刻を争っていることが感じ取れるものだった。
「江戸、いえ、東京が悪の手に狙われています。振袖のカケラを集めてください、悪の手に落ちてしまう前に……!」
「え、それって……!?」
夢を見ていた少女たちが言葉を返そうとした瞬間、それを妨げるかのように目が覚めてしまう。
布団で眠っていた赤いロングヘアの少女が体を起こして目覚める。
「……夢? なんだか懐かしいような……」
ほかにも数人の少女が同じように夢の中で聞こえてきた問いかけに答えようとすると、そこで目が覚める。
同じ部屋で年の近い兄弟と布団を並べて寝ていた青い髪の少女が目を覚ます。一方で兄弟はぐっすりと眠ったままだ。
「今のはいったい……?」
サッカーのユニフォームとたくさんのトロフィーが飾られた部屋で、金髪でウェーブのかかったセミロングの少女がベッドから起き上がる。
「変な夢……」
アニメのポスターが貼られている部屋で、ミシンの置かれた机に突っ伏して寝ていた小柄な緑の髪をした少女が眠りから覚める。
「なんかアニメの第1話みたい……」
それぞれが夢の中で語り掛けられた意味深な言葉に違和感を覚えながらも、再び朝まで眠りにつく。
同じ日の夜、とある場所にある廃研究所では、研究所の外壁に空いた小さな子どもでも通れそうにないような大きさの穴を通り抜けて、小さな影が研究所から逃げるようにして立ち去っていた。その背中の毛の奥深くには、角度によって違う色の輝きを見せる、虹色に光り輝く結晶体が4つ隠されていた。
現代の少女たちにはどんな運命が待っているのか。乞うご期待!




