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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第肆幕「個性」
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第肆幕の拾陸

さあ、逆転の狼煙です!

 簪が完成すると、かりんはもといた秋葉原に戻っていた。手元にある簪が直前に見た光景を夢ではないと証明したことを悟る。

「君、名前は?」

 イナリがかりんの前に駆け寄り尋ねる。

「木谷かりん! これから起こることは大体予測できてるよ! でも……一つだけ聞いていい?」

「? なんだい?」

 さあここからだというときにテンポが崩れたと感じるが、とりあえずは質問内容を聞く。

「これって……戦えば戦うほどこの簪の水晶が濁っていって最終的に人間じゃなくなったり、強くなった代償に体が不自由になったりしないよね!?」

「そんなわけないでしょ……」

 今までの三人とは全く違うどころか、傍から聞けば意味が分からない反応を見せるかりんに、やや引き気味になるイナリ。さくらたちも一応簪の結晶の色を確認していたが、以前と変わりなかったため安心する。それでも簪の使い方を説明するが、話が進んでいくにつれて、かりんの目はどんどん輝いていった。一呼吸置いたかりんは、気持ちを集中させ叫ぶ。

「開花!!」

 叫びとともに、緑の激しい光がかりんを包む。0.01秒というその刹那、彼女が着ていた服がもとの私服から、緑の着物ドレスのような服に変わっていた。

「すごい! 完全に私のイメージ通り!!」

 憧れの存在であった振袖小町に自分がなれたうえに、自分が身に纏った衣が自作の衣装とそっくりだったことに、声が弾むかりん。

 ここで、かりんが僅か0.01秒でどのように変身したのか開花プロセスをもう一度見てみよう。

「開花!」と叫んだ後に、簪を髪に挿す。すると、纏っていた服が光の粒子となって消え、飛び上がったかりんの首から下を風に吹かれ舞い上がる無数の木の葉が包む。

 木の葉は次々とかりんの腕の近くに寄っていき、腕を包むようにして重なり合ってから小袖の袂を形成していく。両膝上から両足首にかけても木の葉は集まり、黒いニーソックスと緑のパンプスになっていく。

 木の葉は上半身から膝上をも包み込み、フリルのついた緑のノースリーブのミニ着物を形作って、かりんはそれを纏う。その上から腰に光が巻き付いてピンク色の帯となり、背中で蝶結びがされる。

 そして簪に付いた緑の水晶が光ってから着地。これで変身完了である。

これまでに世に出たバトルヒロイン作品をしっかり見た人だとこうなってしまっても無理なし。

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