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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第肆幕「個性」
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第肆幕の弐

偶然見つけたネットでの人気者は意外とすぐ近くにいるかも?

 その日の放課後、帰り道でかんなはあるツイートを発見し、さくらたちにそのツイートを表示したスマホの画面を見せる。

「ねえ見て見て! 振袖小町の衣装作ったんだって! 着てる子込みでかわいくない!?」

 そのツイートの中身は、以下の通りであった。

 〈りゅいふぉん @Green _feng この前作った振袖小町の衣装ですが、試着してみました! 本物に会って感想を聞いてみたいです! #振袖小町〉

 色は違えど、自分たちが戦っている際に着ているものを忠実に再現していることが画像だけでも手に取るように伝わってきた本物の振袖小町たちは、そのクオリティに脱帽する。もちろんいいねもリツイートも大量についていた。

「うわー、すごいねこれ。本物そっくりだよ」

「……本物そっくりって?」

 本物の振袖小町がすぐそばにいることを知らないかんなは疑問を投げかける。そこに蓮が助け舟を出す。

「ほら、この前学校で怪物が暴れたときに助けてもらっただろ? その時見たのとそっくりって意味だよ」

「なるほど。でもこのりゅいふぉんって子、どこに住んでるんだろ? もしかしてあたしたちの近くだったりして」

 衣装のクオリティやりゅいふぉんの正体が何者なのかといったツイートにまつわる話題で盛り上がる一同。そんな中、画像を見たあおいがあることに気づく。

「かんな、ちょっと画像の右上の方を拡大してみてくれる?」

「……? うん」

 かんなはスマホの画面をピンチアウトして、画像の右上部分を拡大する。そこには窓が映っていて、外の景色が少しだけであるが見えていた。そこには葉っぱのマークが目印のスーパーマーケット「リーフ」と、その横に老紳士の笑顔がトレードマークのファーストフード店である「オハイオ」の看板が見切れていたのだ。しかもツイートの位置表示も自分たちのすぐ近くを示していた。

「これ、萌芽町のリーフだよ! だってこの近くのリーフとオハイオって萌芽町だけだし!」

 アイリスが住む豊穣町とは逆方向の花ヶ咲の隣町である萌芽町にリーフがあることは皆知っていたが、本当にあおいの言う通りこの近辺にあるのがこの一店だけなのか、さくらと蓮はスマホでそれぞれのオフィシャルサイトにアクセスして調べる。その結果、どちらの店もこの地域では同じ住所に一軒あるだけだった。

「ほんとだ、あおいちゃんすごい……」

「だろ? 伊達に学年トップの成績の才女じゃないんだぜ! だってあおいはだな……」

 自分の妹がいかにすごいかを鼻高々に語り出す蓮。だがあおいは……。

「蓮、これ以上やったら怒るよ?」

 あおいは蓮をにらみつけて強制的に話を終了させる。

 もしかしたらりゅいふぉんは同じ学校の生徒かもしれないという推測を立てながら、この日は改めてそれぞれ自宅へと帰っていった。

 その頃、ツイートを投稿した当人は……。

「げ、外の景色映っちゃってる。しかも位置情報も……。ツイ消しして再投稿しよっと」

 ツイートを削除してから位置情報の設定を無効にし、もとの画像に加工を施してから再投稿する。すぐに気付いたため削除したツイートはあまり拡散されなかったこともあり、彼女がどこに住んでいるかを特定できたのは地球上であおい1人だけであった。

 〈りゅいふぉん @Green _feng 映りこみがあったので再投稿です! この前作った振袖小町の衣装ですが、試着してみました! 本物に会って感想を聞いてみたいです! #振袖小町〉

悪意があった相手に特定されなかったのは幸運でしたが、個人情報の取り扱いには気を付けましょう。

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