第肆幕の参
今回の相手はどうやら一筋縄じゃいかないようで……?
翌日の放課後。家庭科部の活動日のため家庭科室へと向かうためにB組の教室前に集まった小町部一行。しかし、いるのは女子だけだった。
「あれ? 蓮君は?」
「今日は剣道部に呼ばれてるんだって。だから遅れてくるはず」
蓮がいない理由がわかったアイリスとかんな。家庭科室に歩いていくと、緑色の髪をした小柄な女子生徒が家庭科室に入ろうとしていた。
「……何か用ですか?」
足を止めた女子生徒は、怪訝そうに問いかける。
「生徒会なんですが、もしよければ、小町部、こちらの方々に部室を間借り……」
用件を最後まで言い終える前に彼女は家庭科室に入り、中から鍵を閉められてしまう。こうされてしまっては、なすすべもなく立ち尽くすことしかできなかった。そんな中、さくらは彼女に既視感を覚えていた。
「ここは私たちの居場所、絶対に、誰にも渡さない……!」
その頃、剣道部からの呼び出しが終わった蓮は、家庭科室へと急いでいた。
「えっと、家庭科室ってどっちだっけ……?」
道に迷った蓮は誰かに聞こうとするが、廊下には誰もいなかった。そのため部屋の中にいる人に聞こうとドアを開くが……。
「すいません、家庭科室ってどこです……か……」
ドアを開けた教室の中では、数人の女子生徒が着替えの真っ最中であった。言うまでもなく彼女たちは悲鳴を上げ、蓮は逃げざるを得なくなる。開けたドアの先が女子更衣室であったことに気づいたのは、無防備な姿を見られた女子たちから巻くことができた直後であった。
蓮が走って逃げた先では、小町部の女子たちが扉の前で困り果てていた。
「どうした? 立ち往生なんかして」
「蓮! 実は……」
なぜこのような状況に立たされてしまったのかを説明するさくら。そんな中、あおいは蓮の異変に気付く。
「蓮、何かあったでしょ。正直に言って」
目をそらして答えようとしない蓮だが、あおいは何も言わずにズボンに目を向ける。アクシデントが原因とは言え体は正直なもので、血流が下半身に集中していたことは彼女にはお見通しであった。双子の兄のことであるためこういう事態には慣れっこなあおいとは違い、さくら、アイリス、かんなは気づいた途端に顔を真っ赤にする。
「本当に男の人ってこうなるんだ……」
「蓮くん、元気だね……」
「蓮のえっち! 毎日美少女と一つ屋根の下にいるのに、何が不満なの!?」
女子たちの三者三様の反応に気まずい空気が流れる。その直後、家庭科室の鍵が開いて中から女子生徒が顔を出す。
「うるさい! 人の居場所の前で騒がないで!」
「今だ!」
鍵が開いたのを見逃さず、すかさず家庭科室内へと入ろうとするも、すぐに鍵を閉められてしまい失敗、さくらは扉に激突して倒れてしまった。
ラッキースケベに遭遇、主人公体質あるある。




