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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第参幕「本心」
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第参幕の拾

アイリスの決意、見せてもらいましょう!

 戦場となった校庭では、もう一つの振袖のカケラに呼応してイナリの額の石が輝きだしていた。

「……この近くに振袖のカケラがある! それも、あおいの時と同じ強い力を感じる!!」

 イナリは振袖のカケラが近くにあることを戦ってるさくらとあおいに伝える。しかし、ネガボットの激しい攻撃に対して防戦一方でそれどころではなかった。

「いい加減にしろ! 荷物持ってさっさと帰れ!」

 セルペンテに生徒会室から追い出されたアイリスが校庭に出てくる。ネガボットは彼女を狙って腕を押し付けようとする。

「土屋さん、危ない!」

 さくらとあおいがアイリスのもとに駆け寄り、彼女を庇ってまとめてネガボットの右腕に押しつぶされる。怪我をしたサッカー部員が無事に校内を出られたことを確認し、避難を完了させた蓮が校庭に戻ってきたが時すでに遅し。激しいダメージで二人は元の姿に戻ってしまう。

「あおい! さくら! ……!!」

「え、火宮さんと水崎さんが……振袖小町だったの!?」

 振袖小町の秘密を知らない人に初めて正体を気づかれてしまった。だが、この後どうすればいいかを思索している場合ではない。

「でかしたぞ、ネガボット! この調子であの小娘2人の振袖のカケラも奪い取れ!!」

 生徒会室からセルペンテが出てきて、配達員の制服を脱ぎ捨てて本来の服装でさくらたちの目の前に現れる。

「あんたね! このネガボットをけしかけたのは!」

「正解だ! おっと、初めて会った相手には自己紹介をしないとな。オレ様はセルペンテ。とはいっても……覚える必要はねぇな。だってお前ら2人、ここでペシャンコになってくたばるんだからな!!」

 ネガボットが生身の二人に腕を押し付けようとする。助けに行くために走る蓮だったが、それよりも前にアイリスが立ちふさがる。

「土屋さん!?」

「逃げて!!」

 さくらとあおいが逃げるように促しても、それを振り切ってアイリスはその場に留まって動こうとはしなかった。

「配達のお兄さん、私は自分がやりたいことをやるってさっき言いましたよね? だから、この2人は、私が守る!! この学校と2人を守りたいから!!」

 その叫びに応えるかのように、アイリスのカバンのチャックがひとりでに開き、その隙間から彼女が持っていた振袖のカケラが眩い黄色い光を帯びて飛び出してくる。それはそのまま彼女の手の中に収まった。

「これは……!?」

 何が起きているのか状況が呑み込めないアイリス。眩い光はセルペンテとネガボットを苦しめる。

「やめろ、だから帰れって言っただろうが!!」

「ネガァァァ!!」

 眩い光が治まった途端、アイリスはその場から姿を消していた。

「これはもしかすると……!」

 イナリはさくらとあおいが振袖小町となった際に起きたことと同じことがまた起きたことに、新たなる力の誕生を感じていた。

パチンコでいう激アツ演出が来ました。もう読めましたね?

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