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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾捌幕「変貌」
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第弐拾捌幕の拾伍

悪臭はデバフ。でも悪にとっては……?

 怪人となった亀井が悪臭を放ちながら人波を通っていくにつれて、P&Lの信奉者の姿が動物……というよりも獣人というべき姿に変わっていった。処刑台の上からは、豚、ダチョウ、ピラニア、カミツキガメの獣人が確認できた。辻元議員はダチョウの姿に変わっていた。

 同じころ、保谷弁護士と馬込亜沙美の暴走はとどまることを知らず、やがて姿がどんどん人間から離れていき、保谷は鹿、馬込は馬の姿をした獣人に完全に姿が変わっていた。泣きっ面に蜂と言わんばかりに、後続の一般の信奉者が彼女たちをファーストペンギンならぬファーストホース及びファーストディアーにして暴れ始め、数の面でも不利に立たされてしまった。

 セルペンテ、ゴーダ、スキロスの3人も駆けつけて対応に当たるもこの数では焼け石に水、奇蹄目や偶蹄目の力に振袖のカケラ持ちが複数人いたところで普通のホモサピエンスでは対抗は不可能、万事休すかと思われたその時……!!

 まずは今目の前にいるカメムシ獣人をなんとかしようと思ったさくらとひかりだが、処刑台で磔にされていて動けない。

「(今こそこれを使うとき!)」

 ひなたは目をつぶり、神経を集中させる。彼女が着ていた囚人服のポケットから輝きが放たれる。

 イナリの独演会がノリに乗っているころ、どこからかドローンが飛んで来て翼に付いたカッターでさくらたちの手足を縛っていた鎖を切り、自由の身にした。

「どういうこと!?」

 ひなたは囚人服のポケットから振袖のカケラを出してみせた。

「……それは! 何か忘れてると思ったんだ!」

 イナリは思い出した。皐月と蘭が倒れた時に二人のピュイサンス・ファムに使われていた振袖のカケラは回収した。ここまでは確実に覚えていた。しかしその直後に女だけの国が落下し始めたためひなたが自ら破壊したものから振袖のカケラをちゃんと回収したかは記憶が曖昧なままだったのである。

「私の持つ振袖のカケラの能力は機械を操ること、名づけるなら……銃応無尽(じゅうおうむじん)!!」

 元Dianthus from.JPNのメンバーを洗脳できたのはスマホを媒体にして姫の持つ三日月型の結晶、つまり大きな振袖のカケラが持つ洗脳能力を使っていたのである。

 かぐやは思ってもみなかった奥の手に歯ぎしりをしていた。

「さくらさん、ひかりさん、これを!」

 ドローンの内部が開き、二人が振袖小町になるための簪が降ってきた。さくらと光は落下点へと走っていき、掴み、叫んだ。

「「開花!!」」

逆転劇の幕開けです!

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