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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾捌幕「変貌」
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第弐拾捌幕の拾陸

この展開、嫌いな人いないはず。

 二人の獣人の前に地上で劣勢となっていた蓮たちの前に現れたのは1台のワゴン車だった。その中から、7人の女性が姿を現す。

「あなたたちは!!」

 元ナフ・ヴァルキリーにして元Dianthus from.JPNだった飯田皐月、永田蘭、関香澄、越前紫苑、新橋杏夏、綾瀬沙羅、坂上夕香里が左手にピュイサンス・ファムにしては簡易的なものを付けて降りてきた。

「みんないくよ!」

「「「「「「OK!」」」」」」

 7人はかつてのアイドル時代を思わせる息の合った動きで、左腕の肘を立てた。

「「「「「「「革新!!」」」」」」」

 右手の人差し指と中指をピュイサンス・ファムに当てて叫んだ聞き覚えのある二文字のコードに蓮とかんなは不信感を覚え、直後に彼女たちの姿は見覚えのある姿となった。

「ナフ・ヴァルキリー!?」

「みんな、時間稼ぎしてもらえる?」

 香澄がスケッチブックを取り出し、ペンを走らせる。

「了解、狭壁虚造(きょうへききょぞう)!!」

 蘭が香澄にバリアを張る。彼女の姿を見たスキロスは自分とちょっとした縁のあった人物も戦いに巻き込まれていたことを今知り度肝を抜かれる。

 彼女たちを目にした途端、馬と鹿の獣人が目の色を変えて駆けてくる。特に保谷は個人的に恨みを持つ沙羅に向かって突進してきた。だがそこに、皐月が前に出る。

「率先垂反(そっせんすいはん)!!」

 獣人に重力弾を当てると、保谷は重さで地面にめり込み、馬込は浮かび上がって街路樹の枝に乗せられてしまう。司令塔が突然身動きを制限されたことに獣人はあたふたして動けなくなる。

 保谷が地面から這い上がり、馬込が地上に戻ってくると、再び獣人たちを引き連れて彼女たちに襲い掛かる。

「今度は私の番!  衰頭喪気(すいとうそうき)!!」

 夕香里は昔取った杵柄で軽やかなステップを踏み、かつての持ち歌の振り付けを披露し、要所要所でポーズを決めると、獣人軍団の動きが止まりその場でいじけて座り込んだ。だがそれも一時的なもの、彼女のダンスが終わると勢いが戻りだす。

 再び走り出した二人の視線の先には、彼女たちの足元を見ていた沙羅が狙いを定めていた。

「影駭響侵(えいがいきょうしん)!!」

 地面に溶け込んだ沙羅は、影伝いに動いていき馬込の影に入り込む。二人は標的が消えたことに足を止め周りを見渡していると、突然馬込が保谷を殴り飛ばした。殴られた側も黙ってはいられず殴り返し、そのまま殴り合いになって本来の標的を見失っていた。またも後続の獣人は何をしていいかわからずうろたえだした。

「あはは! 仲間割れとか雑魚じゃん!」

 洗脳されていた時と遜色のないメスガキ節を披露する沙羅を獣人はにらみつける。特に保谷は彼女にハメられたことを根に持っており執拗に狙ってきていた。

「……洗脳されてた時こんなこと言ってたけど、普通のテンションじゃ絶対言えない……やめてー!」

 沙羅の悲鳴に万事休すかと思いきや、馬込と保谷の動きがその場で止まり、崩れ落ちる。

「背中ががら空きだよ」

 直進しか頭になかった代償である背後の隙をを見抜かれ、大詰め「一切怪空(いっさいかいくう)」を使って気配を消していた杏夏に攻撃されていたのである。

 懲りない獣人たちはまたも立ち上がり、蓮たちとナフ・ヴァルキリーを取り囲んでリンチする体制に入ろうとするが、次々と眠りだして未遂に終わった。

「おねんねの時間よ」

 紫苑が大詰め「酔生夢視(すいせいむし)」を使って一人の獣人を眠らせたところ次々と連鎖的に眠っていき、戦場は集団寝室となっていった。

強敵が味方について活躍、燃えるよね。

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