第弐拾捌幕の拾参
やってきました公開処刑当日。
数日後、公開処刑当日。
日本政府は、標高の高い位置にある女だけの国からの自力での帰国は現状では困難と判断し日本国民を帰国させる、及び人質とされている振袖小町と卯月、ひなたを救出する手立てとして自衛隊を派遣し、チャーター便で女だけの国に乗り込んだ。
鬼軍曹と化したキマに根性を叩き直されたP&Lの信奉者たちも、引率されて向かい、到着した。
たまたま浮上した時間に国土にされた範囲内にいただけの人々が自衛隊のもとに集まってくる。だが、チャーター便に乗ろうとする者は皆無だった。
不思議に思った自衛隊が一人の男性に声をかけると、虚ろな目で口を開いた。
「For my princess……For my princess……For my princess……」
姫を讃える声が聞こえてきた。それはどんどん伝播し、信奉者ではないはずの巻き込まれた人々全員の口が動くほどまでになった。
「なんだこれ……」
「いったいどうなってるんだ……!?」
異様な光景に自衛隊は戸惑うことしかできなくなっていった。一方、信奉者たちの体にも異変が起こり始めていた。そして彼らは集団で一つの場所へと向かっていった。
国土内にあった公園、いつもなら若い女性が金目当てに立ち尽くしていることが多い場所だったが、今日は同じ女性でも姫の信奉者でいっぱいだった。
公園内のバスケットコートに作られた処刑台に囚人服を着せられたさくら、ひかり、ひなた、卯月が上がりフィーユソルダによって磔にされると、信奉者と洗脳された一般市民から歓声が上がる。
「はい皆さん、これから振袖小町二人と裏切り者、そして汚らわしい女の処刑を始めまーす!」
かぐやによる司会進行に再び歓声が上がる。勿論これは民衆だけではなく世界各国に向けてネット配信がなされていた。
「でも、ただ処刑するんじゃつまんないから一言ずつ今の感想を聞いていきたいと思いまーす! じゃあ、卯月ちゃんから!」
「自分の好き嫌いで常に世の中が動くとは思わないでほしい、あなたたちの姫、本橋千花にそう伝えます」
「本当に処刑するのなら、あおいたちのことは自由にさせて」
「かぐや、まさかあなたとの最後がこんな形になるなんてね」
「この国ももう長くない、私はそう信じてる。だからこんなことは無意味だとわかってほしい」
「それでは皆さんお待ちかね、処刑の時間……」
「待った!」
イナリが叫ぶ。
「ボクにも話させて!」
「……キツネは処刑しないで姫のペットになる予定だけど、話したいならどうぞ」
一呼吸おいて、イナリが話し始めた。
小動物が喋りたがる、これで後の展開が読めた方は僕と握手。




