第弐拾捌幕の参
闇が噴き上がるとき。
P&Lが振袖小町と因幡卯月を捕縛し、公開処刑を予告したニュースはすぐさま世界中に駆け巡った。
もちろんそれはSNSも同様だった。そんな中、ある一人の人物が自信満々な姿を見せていた姫の姿にいてもたってもいられず書き込みをしていた。
〈飯番 紅花@cuscus_tea @PandL_senka 今話題の女だけの国の首相?大統領?をやってる人、あの人に私はいじめられていました。私だけではありません、多くの人があなたに傷つけられました。立派になりましたね。〉
〈飯番 紅花@cuscus_tea @PandL_senka 謝罪もせず、根も葉もない噂を打ち消すこともなく突然私たちの前から姿を消したおかげで散々な日々を送ることになったこと、ずっと根に持っています。まさかあなたの顔をこんな形でまた見るとは思いませんでした。自分がしたこと、覚えてますよね?〉
女だけの国が、元あった場所に戻る。大穴にそのままぴったり収まるのではなく真上で停止し、下部から太い根が伸びて元の場所に接続する。生成された大量の土がそれを覆い、国土を支える巨大な柱が完成した。
「ううっ!!」
「苦しい……!」
これまでの人生で味わったことのない苦痛がアイリスとかりんの全身を襲う。心配な表情であおいは見つめていたが、彼女もまた苦しみが襲ってきた。
「いったたた……」
ちくちくと針が刺すような鋭い痛みが彼女を襲う。その正体は、国土内にある蛇口が開かれて久しく流れていなかった水が流れるようになったからだった。
「ぐっ……」
同じ苦しみはティーガーも味わっており、領土のどこかで電気が使われるたびに痛みに襲われていた。
「大丈夫、さくらが来てくれる……!」
「奇遇ね、同じこと考えてた」
「処刑なんて絶対させねぇ、お前、こんなとこで死ぬんじゃねえぞ」
「それはこっちの台詞、あんたはまたさくらと恋人になるつもりなんでしょ? このままだと一生発電所だからね」
「そっちこそダム兼水道のくせによく言うぜ」
互いに憎まれ口をたたきながらも、友情と愛を根拠に信じる姿勢を一切捨てない二人の姿に、アイリスとかりんは勇気づけられていた。
「(あー気持ち悪っ……友情だの愛だの、そんなのは口先だけなのに……)」
一方で看守のかぐやは自分の明日すらわからぬ状態でよく他人を信じられると彼女たちのメンタリティがまったく信じられない気持ちでいっぱいだった。
昔いじめをしてたっぽい告発が始まる中今やってることは人権蹂躙、外道の中の外道。




