第弐拾漆幕の拾陸
女だけの国、崩壊……!?
「(とんでもないこと言っちゃった……大丈夫かな……)」
ひなたは顔面蒼白であった。アドレナリンが出ていて勢いで宣言した決別に、これまでに姉にされてきた仕打ちがフラッシュバックしてまた今回も同じような目に遭うのではないかという不安に苛まれていた。
「大丈夫、あいつにこのまま好き勝手はさせないから!」
卯月が彼女の手をぎゅっと握る。
「本橋さん、私たち振袖小町が協力します!」
さくらが彼女のもう片方の手を握る。直後、監禁室のドアが乱暴に開けられた。
「それはできないよ!」
監禁室に現れたかぐやが皐月と蘭の手足につけられていた拘束具を力任せに外す。二人はその場で倒れると同時にFFVが解除され、腕から外れたピュイサンス・ファムも機能を停止、完全に壊れていた。
女だけの国の外周に出来ていたバリアが消える。あとはどうこの土地を元の場所に戻すかである。
イナリが破壊されたブレスレットと機能停止したピュイサンス・ファムから振袖のカケラを回収し、満身創痍の二人を病院にどう連れて行こうと思案していた直後、激しい揺れが起こる。
「どういうこと!?」
「……重力がかかってるんだ」
ひなたがピュイサンス・ファムに視線を向けながら答える。
「この拘束具は付けられた者の能力を増幅させて持続的に発動させるようにできてる、つまり外した途端にストップする」
「その通り! 私はこれを狙ってたの!!」
かぐやが高笑いする。
「姫は振袖のカケラの力でここを少しずつ移動させてたの! 今この国の真下には何があるんだろうねぇ?」
国会議事堂前では、亀井議員率いる抽選に外れて入国できなかった多くの信奉者たちが日本は一刻も早く女だけの国に降伏して併合されるべきだという主張を繰り広げるあまりにも滅茶苦茶なデモが行われていた。
自分たちの主張をぶつけて来るノイジーマイノリティたちの頭上を、大きな影が覆い隠す。
「おお……姫がいらっしゃった!!」
「私たちもついに姫の国の国民になれる!!」
自分たちの頭上にある影の主が姫が建国した「女だけの国」だと気づくと、信奉者からの歓声が上がる。
「For my princess! For my princess! For my princess!」
物理的に日本の危機!!




