第弐拾漆幕の拾伍
大きな決断の時。
バリアを通った先の6F、あおいたちも合流して姫との決戦に臨んだが待っていたのはひなただった。彼女はいきなり質問を投げかけてきた。
「振袖小町の皆さん、ここまで来れたことに違和感ありませんか?」
不思議な質問をしてきたが、道中を振り返ってみると本来であれば簡単に通れない場所だらけだったのが通ることに成功した、一同は言葉を失う。
「この本部にもやろうと思えばバリアを張ってあなたたちの侵入を防ぐことができる、でもそれがなかった。それ以前に、あなたたちは私の仲間のIDを借りてこの国に来たのに変装を解いても強制退去はされなかった。全体的にセキュリティが不自然に緩いとは思わなかった?」
言われてみれば、という顔をしていた振袖小町たち。そこにあおいが質問をする。
「もしかして最初から私たちを……!」
「その通りです、皆さん、私についてきてください」
全員でエレベーターに乗り込み、ティーガーが電気を通して作動させる。ひなたは全フロアのボタンを押してから閉じるボタンを押すと、行く事の出来なかった地下のフロアに到着した。
全員を下ろし、目的の部屋に連れていく。
「これを見れば私がやろうと思っていることがわかるはずです」
「卯月ちゃん!!」
「ひどい……」
言葉を失った。女だけの国を現実のものにしているための人柱が苦しみにあえぎ、もはや虫の息だった。かりんは卯月の手足に付けられていた拘束具を外す。
「ありがとう、助かった」
卯月からの笑顔を見てかりんは心から胸をなでおろした。
「本橋さん、これって……」
「そういうことです」
監視カメラの方に体を向けたひなたは息を大きく吸う。
「姫、いや、本橋千花!! 私本橋ひなたは今このときをもってP&Lを脱退すると同時に、あなたとの姉妹の縁を切る!!」
とんでもない宣言を吐き出してスッキリした表情を見せたひなたは、左腕からブレスレットを抜き取り、床にたたきつけた後に踏みつぶした。本人を除く全員が度肝を抜かれていた。
勿論このクーデター宣言ともいえる脱退劇は自室にいた姫本人にも届いていた。
「……あのクソ妹ー!!!!!!」
これまでに幾度か見せていた怒りを通り越した憤怒が彼女を包んでおり、同じ部屋にいたかぐやですら戦慄していた。
「(やばい、やばいやばい、同じところにいたら絶対とばっちりが来る……)」
「かぐや! あれ、やってきて」
「はい、我が姫!」
そそくさとかぐやは部屋を後にした。
姉妹決別の時。女だけの国の未来やいかに。




