第弐拾漆幕の拾肆
怪しい団体だから雑居ビルの一部フロアが本部だったりする。
姫がどこの階にいるのかはわからない、全員で手分けして探していくことにした。
2Fにはアイリス、3Fにはかりんが向かっていたが、もとが雑居ビルのため本部がある建物には別の企業で働いている者いた。もちろん望彼らもまたこの国に望んでいるわけではなかった。だが彼らを日本に帰国させる手立ては今はなく謝罪することしか今は出来なかった。薄暗くなってきた外とは違い、この建物内だけは照明がついていた。
4F、ここから上の階をP&Lが使用していた。ひかりと比奈は、部屋の外でぐったりしていた複数人の少女を見かけ、比奈がインタビューも兼ねて声を掛ける。
「どうして倒れてるの? 喋れるだけでいいから聞かせて」
「ここに来てまだ日が浅い私たちはこの建物で使える分の電気を発電させられてました。もう体力的にきつくて、這いずりながら部屋を出て休んでいたんです」
彼女たちのふくらはぎはパンパンになっており、立つことすらままならなくなっていた。部屋の中を見てみると、何人もの少女たちが自転車を漕いで発電にいそしんでいた。
5Fに来ていたあおいとイナリは多くの部屋が立ち並ぶ中に立ち入り禁止の部屋を発見する。たくさんの一般信奉者が彼女を見て顔をしかめながら妨害してくるがイナリが間をかいくぐり、電子ロックにたどり着く。
「……あれ?」
イナリが違和感に気づく。電子ロックがオフになっており、簡単に入れるようになっていたのだ。
「……これは!?」
室内にはメインコンピューターが鎮座していた。半分以上のランプが消灯していたが、残っているランプも緑と黄色のランプが今にも消えそうなくらいうっすらと点滅していた。これまで交戦してきた相手が纏っていたFFVと使ってきた大詰めを振り返っていく。
「まさか!」
この事象から導き出された答えに、あおいは残された時間の少なさを悟った。
これらの階にすべて共通して、入国に成功した信奉者が詰めかけて人口密度が尋常になく高くなっていた。2Fと3Fの無関係な企業の社員は彼女たちに居座られて迷惑していると語っていた。
6Fに行こうとしたさくらとティーガーは階段が通行止めになっていたところを通ろうとしたがこの国の国境と同じようにここにもバリアが張られていた。この先に何があるか、二人は理解した。
「……いくよ」
「共同作業だ!」
「意気陽々!」
「付和雷導!」
息をぴったりと合わせて火と雷がバリアを打ち破る。呼吸が合ったことに喜びを感じる者と複雑な感情を抱く者が階段を上り始めた。
「ううっ!!」
監禁室に拘束された蘭が苦しみだす。
「蘭! もう時間がない……!」
隣で同じく拘束されているラパンは何が起こっているのかを理解していた。
バリアが外壁になってて空に浮かぶ、国がなぜあるのかは最初から答えが明示されていましたとさ。




