第弐拾漆幕の拾参
地上でも争いが。
「さて、ここのはずだが……」
女だけの国直下の大穴の真上に、ロンが来たる敵に向けて殺気だてながら佇んでいた。
「……来たな!」
目にもとまらぬ速さで刀を抜き、向かってきた刺客を迎え撃つ。
「まだまだだな」
だがその隙を見てもう一人が背後から向かってきた。
「させません!」
「こういうことが起こるのは織り込み済みだ!」
鎧を装備した小菅が襲い掛かってきた。隠れていたセルペンテとスキロスが止めに入る。
「邪魔だ!!」
ケンタウロスのような形態で駆ける彼はそのまま二人を吹き飛ばし、飛び上がると下半身を人型に戻してそのままロンの背中に飛び蹴りをかました。
「何っ!?」
今回チュイが連れていたのは石神たち3人だが、小菅も別行動で向かっていたのである。ロンの前に、鎧を装備した4人が立ち並んだ。
「貴様!」
「油断してる方が悪いんだよ!」
ロンに向かって来る4人。しかしまったくと言っていいほど息があっておらず、軽くいなしただけで装備が解除された。
「……さあ、約束だ。こちらに渡してもらおうか」
ゆっくりとチュイに向かって近づくロン。だが、彼の姿が見えなくなったと思った途端に一筋の風がロンに向かって吹いてきた。
「なっ……!?」
「僕の大詰めのこと忘れてた? こういう使い方もあるんだよ!」
チュイの掌には振袖のカケラが2つあり、元の持ち主を煽るかのようにそれを軽く上に投げていた。
本部の目と鼻の先でさくらたち一行とあおいたち一行はなんとか合流に成功、お互いに連れが一人ずつ増えていたことには互いに笑いを禁じ得なかった。
「たのもーっ!!」
道場破りのごとく自動ドアの前でひかりが叫ぶ。しかし自動ドアは微動だにしない。
「そうだ、ここ電気止まってるんだ……」
気が付くとだんだんと陽が沈んでいく時間に差し掛かっていた。ビルの外壁を夕陽が反射していた。それに対し街灯は一切点灯していなかった。
「電気なら俺の出番だ」
ティーガーが前に出て自動ドアに軽く触れると、ドアが左右に開いていく。突入だ。
オリエント・ゾディアックの目的への道もひっそりと進んでいます。




