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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾漆幕「浮上」
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第弐拾漆幕の参

どこにいるかわかってても行けなきゃ意味がない。

 信奉者及び入国希望者は日に日に増えており、今から名前だけ信奉者になって当選を祈るのは確率的に期待できることではない。

 バレなければ犯罪ではない、開き直ってそう言い放った這いよる混沌もかつてはいたほどだが、日頃の行いをお天道様はいつも見ている、そもそも世間的に正義の味方として認知されている振袖小町がそんなことをしては叩かれた信奉者と同じ、自分たちはヒーロー、超人的能力と気高い精神性を両立してこそだとかりんは気を引き締めていた。

 想定外の相手からの連絡が来たかんなは急いでグループトークにその旨を報告した。さくらたちもまた、驚きを隠せなかった。

「振袖小町へ。P&Lに洗脳されていた坂上夕香里です。先日は助けてくれてありがとうございました。私だけでなく、沙羅も、杏夏も、しお姉も、かすみんも、あなたたちが助けてくれたことに感謝しています。本当にありがとうございます」

 洗脳されてP&Lの姫を護る騎士「ナフ・ヴァルキリー」にされてしまっていた元Dianthus from.JPNのメンバーのうち、救出に成功したメンバー5人は金丸ファウンデーションが所有している医療施設で心身ともにケアが行われていた。

 振袖小町に伝えたいことがあるならまずはかんなに連絡をするよう言われていた彼女たちは、最初に洗脳が解けた夕香里が代表してメッセージを送っていた。

「私たちを利用していた姫こと本橋千花がついに女だけの国を作ってしまったことは皆さんも周知の事実だと思います」

 メッセージを読み進める小町部に、とんでもない知らせが飛び込んできた。

「会員証のナンバーがなければ入国の抽選対象にすらならないと伺いましたが、私たちは一般の信奉者とは別の扱いだったのか行こうと思えば今すぐにでも行くことができる状態になっているようです。私たちは相談し、いま私たちの手元にある会員証をあなたたちにお譲りしようと意見が一致しました」

 渡りに船である。

「もうエリーさんが蓮とかんなちゃんと一緒に会員証を取りに向かってるって!」

「でも顔が違うと弾かれちゃうんじゃない?」

「うーん……」

 突破の糸口こそできたが、障壁があった。第一関門の突破直前だったが、ちょうど彼女たちは目的地に到着したため必要な作業に取り掛かり始めた。

まずは今できることをやろう、これは何事においても大事。

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