第弐拾陸幕の拾参
みんなが想像したことのあるシチュエーション、やっちゃいます。
「「「急進!」」」
ひなたとかぐや、そして今回のキーパーソンであるナフ・ヴァルキリーの3人によって変形コードが発せられると、会場全体で激しい揺れが起こる。サークルの頒布物や机が一斉に同じ方向に流れていき、しばらくしてから収まる。南ホールは階で分割され、東ホールの入口からは通路が真っ二つに分かれていたのが見えていた。中にいる人間は皐月が重力を制御して会場内にいる限り地面と平行に立つことができるようになっていた。
会場内も十分パニックに陥っていたが。何が起こったのかがはっきりとわかる外ではさらにどよめきが発生していた。
「何、これ……」
待機列に並んでいたひかりは思わずつぶやいてしまった。それもそのはず、東京ベラドンナ全体が変形して巨大ロボットのような姿になっていたのである。
「「「完成! ベラドンナロボ!!」」」
東ホールが両脚を構成、西ホールは背部、二つに分かれた南ホールは両腕となった。そして象徴である三角形の会議棟が胸部となり、そこから頭部が生えていた。
仁王立ちしているロボは動き出し、右腕でエントランス付近にあるチェーンソーのオブジェを引っこ抜いて武器にしたのである。
さくらたちは会場の外へ出ると、建物が本当に巨大ロボットに変形していることに目を疑った。だが、これがP&Lの次の刺客であることは明白、人目のつかぬ所へ向かい振袖小町となってこれ以上の破壊行為を防止すべく迎え撃つ。
「振袖小町! 私たちの理想の世界のための人柱になりなさい!!」
ベラドンナロボが動く度に、会場全体が揺れ動く。逃げようにも出入り口は封じられているうえにそもそも内部から出てしまうと重力がかかる方向が90度変わるため落下は免れず事実上不可能、参加者全員が人質となった。
右手に持ったチェーンソーの刃が高速回転し、アイリスを狙って切り掛かってくるが回避、近くにあった木が伐採される。
「遠くからならいけるはず!」
海に近い場所であるため水の力が強まっていることを利用して遠距離からあおいが攻撃の構えを見せた。
「ロボットにはこれがつきものだよ!」
胸元になったエントランスにある大きなモニターからビームが発射され、烈槍・紺碧に集まっていた水流がかき消される。
チェーンソーを無力化すべくさくらが火を放つがこちらもかき消され、彼女を東ホールでできた巨大な足で踏みつぶそうとしてきた。
「覚悟しなさい! すべては姫のために!!」
あおいはモニターから発せられたビームの対応に苦慮、アイリスは土の壁でチェーンソーを受け止めており、かりんとひかりはエリーの操縦するヘリに乗って内部に向かっていた。蓮とかんなは外にいる人たちの避難誘導に当たっており、彼女を助けられる者は皆無だった。
「さくら!!」
足の大きな影がさくらの全身を包む。万事休すかと思われた、その時だった。
「待て!!」
会場がロボになりました。同じことを他の作品でやってたのは書き終わってからでした。




