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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾陸幕「祭典」
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第弐拾陸幕の拾壱

マスゴミはある意味最強の敵。

「アイリスちゃん! 手首のあたりを豪拳・山吹でつかんで!」

「わかった!」

 さくらにパンチが命中する寸前でアイリスが飛んできた青年の手首をつかみ、彼をこちらの土俵に持ってくる。さくらの頭上に腕を掴まれた彼が来たところに聖剣・紅で貫き、麦わら帽子の青年の姿の維持が崩れ黒い物体となる。魔法少女は動揺して弓を構えて矢を乱射するが全て弾かれてしまう。なぜなら、麦わら帽子の海賊が貫かれた直後豪拳・山吹がそれを掴んだまま魔法少女に向けて発射されてまとめて撃墜する。

 二つのゲル状物体は一つに合わさって庭園から撤退、どちらに飛んで行ったのかを確認してから後を追った。

 エントランスに集まった振袖小町と、避難誘導をスタッフに任せたかんなはさくらが出会った大門たちテレビクルーが待ち構えていたことに退避を促すが彼らは拒否する。

「振袖小町、あなたたちへインタビューしたいんだが、いいかな?」

 本来インタビューの許可を取る役割である大門を押しのけてテレビクルーのリーダーがさくらにインタビューを求めてくるが、拒否する。

「私たちメディアは人々に真実を伝える義務がある。だから今目の前で何が起こっているのか、そしてこの事件を誰が起こしているのかを正しく報道させてほしい。いいですよね?」

「ちょっと、築地さん……」

 いつ悪が動くか分からない中、圧をかけながらさも当然かのような態度をとるテレビクルーを一同は怪訝な目で彼らを見ていた。オールドメディアによる偏向的報道が絶えない昨今、若い彼らに信頼されていないことはレポーターである大門にとっては辛い事実であった。

「(こういうこと、あんまりしたくないんだけど……)」

 かんなが一歩前に出て上空へ合図を送ると、ヘリが降下してくる。運転していたエリーが降りてくると、築地に耳打ちする。それが終わると、彼は大門に声をかける。そして折り目を正して改めて振袖小町に交渉する。

「失礼いたしました、インタビューは今回はなしにしましょう。ですが、あなたたちの邪魔をしない範囲で生中継をさせていただきたい。いいですね、大門さん?」

「ええ、僕は最初からそのつもりでした。菊池さんが事実の究明に頑張ってるって話はこちらも耳にしてますから僕らも力添えしましょう」

「それなら問題ありません。ですが、本当に危なくなったら逃げてくださいね。よろしくお願いします」

 あおいたちが心配する中、さくらが大門に握手を求める。彼はそれに応じる。

「(あれ……? 彼女の手の感覚、知ってるぞ……? それも、かなり最近……)」

 何かを察したが気づかないふりをして振袖小町との利害関係を結んだ直後、アナウンスが流れる。

「コミックマルシェに参加の皆様、ごきげんよう。私は姫の忠実な騎士が一人。明日行われるコミックマルシェ二日目、この東京ベラドンナを姫に捧ぐ」

 大胆な犯行予告が流れ、会場内は混乱する。

「ただし! コミックマルシェ自体は通常通り開催すること。さもなくばこの会場がどうなるか……」

 和気藹々とした場であるコミシェが恐怖で支配されてしまった。過去にもある特定の作品を参加させないという趣旨の脅迫状が準備会に届いて作品を扱うサークルの参加が制限されることもあったが、それ以上の危機に立たされてしまった。

リアルでこれ起きたら存続危ういよね。これくらいのことしなきゃフィクションにならないけど。

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