第参幕の参
今回出撃するのは……こいつです!
廃研究所では帯刀をした男が大部屋にメンバーを招集し、10人のメンバーが次々とやってくる。
「またラパンは欠席か……。まあいい。振袖のカケラが見つかったよ。今度は……学校だな」
モニターに振袖のカケラが見つかった学校の外観が映る。
「しかも今回は1か所に2つもある。どちらも取れれば大手柄だ。さて、誰が行く?」
今までより多くの振袖のカケラをめぐって、カルネロを除く全員が立候補したため誰が出撃するかで揉める。そこを帯刀した男が制止する。
「待て。ここは公平を期するために立候補していないカルネロに決めてもらおう」
「ああ、わかったよ、ロン。こんなこともあろうかと……」
科学者のみが使える魔法の言葉とともに、カルネロは乗っているメカの腕でモニターを操作する。操作が終わると、立候補者全員の名前が書かれた矢印部分に停まると当選となる円形のルーレットが映し出された。
「見てわかるとおり、このルーレットで当たった者に今回の作戦を任せるとしよう。それでは、スタート……」
「ちょっと待った!」
ルーレットのスタートに待ったをかける声がかかる。その声の主はチュイだった。
「みんなこの前の作戦を見てなかったの? ティーガーの奴、赤い振袖小町に執着してばっかで僕らには何にも貢献してなかったじゃん。だからまた出撃してもどうせ同じことするに決まってるよ!」
議題に上がった当人と、前回の作戦をライブビューイング見ていた面々が前回の作戦におけるティーガーの挙動を振り返り立候補にふさわしいか考え、多数決が採られる。結果は賛成が6票、反対が4票で今回の立候補は無効にはならないこととなった。チュイは裁定に不服だったが、これ以上の申し立ては危険と考え意見しなかった。なぜならティーガーからの汚物でも見つめるかのような冷め切った目線が刺さっていたからだ。
改めてカルネロが画面内にあるルーレットのスタートボタンを押すと、書かれていた名前が読めなくなるほどにルーレットが高速で回り始める。それぞれが自分に当たるよう祈る。そして運命の女神は……セルペンテに微笑んだ。他のメンバーの落胆する声をよそに、セルペンテはガッツポーズとともに声を上げる。カルネロは彼にネガボットの素体を渡す。
「よっしゃ、オレ様の出番だ! 空飛ぶしか能がねぇ小娘や、屁理屈ばっか言ってるガキとは違うってとこを見せてきてやろうじゃねえか。振袖小町が2人になろうが100人になろうが、このオレ様の敵じゃないんだよ!」
セルペンテの挑発ともとれる発言に、小娘とガキからの怒りに満ちた視線を浴びながら彼は悠々と出発する。
振袖小町が本当に100人になったら……能力のかぶりとかいそうですねぇ……。
一人ひとり違うことができるようにするのは作り手の発想が問われます。




