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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第参幕「本心」
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第参幕の肆

ちょくちょく出てた女の子の一人が遂にベールを脱ぎます!

 放課後。試合をするのに人数が足りない部活に助っ人として参加している蓮もあおいが気づいた事項は知っていたため、さくら以外はもうダメもとで生徒会室へ行くことになったが、そこをかんなが呼び止める。

「さく、あおいっち、蓮くん、どこ行くのー?」

「生徒会室。部活……」

 言いかけた途端、かんなが両手を合わせて頭を下げる。

「お願い、私もいっしょに行かせて! うちの担任ったら、部活に入らないと毎日補習を受けさせるとか言ってんの! 助けて!」

 あおいと蓮の懸念事項にとっては渡りに船、断る理由もないためいっしょに生徒会室へ行くことになった。もちろん、部活の創設をするからその許可をとることと、必要な資料をもらいに行くためだと道中でかんなに説明したうえでのことであり、それに本人が納得したことを確認してからのことである。

 校庭に出て生徒会室に着くと、日本人離れした美しく白い肌の、ウェーブのかかった金髪碧眼の少女だけが座っていた。さくらもあおいも彼女に見覚えがあったが、さくらは外国人だと誤解する。

「(あの人土曜に商店街にいた人だ……。同じ学校だったんだ……。留学生かな?)」

 外国人の知り合いがいないさくらだったが、4年とちょっとの間学校の授業で習った英語を使う機会がやってきたと思い、物おじせずに自己紹介を行った。

「は、はろー、まいねーむいずさくらひのみや、あいむじゃぱにーず、ないすとぅーみーちゅー、はうあーゆー?」

 固い表情とともに片言の英語であいさつしだしたさくらにかんなは大笑いし、生徒会の少女も柔和に笑い出す。

「さく、あの子あんなだけど日本語ペラペラだよ? えーと、アイリスってどことのハーフだったっけ?」

 生徒会の少女は、席を立ってさくらたちに自己紹介する。

「皆さんはじめまして、2年A組の土屋アイリスです。ここにいるからわかると思うけど、生徒会の書記です。かんなちゃんが言ってた通りハーフで、父が日本人で、母はイギリス人なんです。これからよろしくね」

 母国語として日本語で話すアイリスに、さくらはやっとかんなの言葉が事実であると確信して日本語で改めて自己紹介する。あおいと蓮もそれに続くが、蓮は彼女の名前を聞いてどこかで聞き覚えがあるが一体どこでだったのかが思い出せず、むずがゆくもどかしい思いを抱えていた。

「土屋さん、さっきはすいません」

 謝るさくらに、よくあることだから気にしなくていいとアイリスは笑う。そして、今回の本題であるさくらたちが生徒会室に来た理由を話す。

「なるほど……。じゃあこれに必要事項を書いて」

 渡された部活の申請書の必要事項を部活名から書いていくさくら。ここでやっと、あおいと蓮が危惧していた問題に気付く。

「あ、顧問の先生……」

 そう、部活の創設には顧問の存在が必要不可欠なのだ。申請書を見ていくにつれて、さくらはさらなる問題点に気づく。

「それに部員の人数も1人足りない……。もう、あおいも蓮もどうして言ってくれなかったのー!?」

「俺もあおいも何度も言ったよ……」

「まったく、全然人の話聞かないんだから……」

 しかも校則で最低5人は部員がいなければならないのである。散々言ったにもかかわらず右から左へと受け流してしまっていたさくらの自業自得とはいえ、ひとまず申請書だけもらって部員の項目に各自の名前を書いてから生徒会室を後にする。彼女たちが来てから終始笑顔だったアイリスは、後ろ姿を見て自分も輪の中に入っていたら楽しそうだと感じていた。

ハーフだけど日本語しかできない、よくあること。ソースは俺。

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