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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾陸幕「祭典」
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第弐拾陸幕の陸

リアルで起きたら大惨事が続いてます。

 アイリスが八王子かがり、かんなが日比谷珠姫のコスプレをしていることにさくらたちの脳はやっと理解が追いつく。それを踏まえて彼女たちを見てみると、いつもと違う雰囲気ではあるが様になっていてこのままコスプレイヤーとしてやっていけると太鼓判を押せるクオリティだった。渉も彼女たちがかりんの友人だと知ると絵になる空間にいる実感をその場限りにしないためにしっかり目に焼き付けていた。

「それよりも……その服いいの……?」

 あおいはかりんが緑の振袖小町、つまり自分自身のコスプレをしていることに言及する。

「これ? 大丈夫!」

 事情を知らないものだらけなうえ敵が紛れ込んでいる可能性もあることを視野に入れ多くは語らずにあおいは尋ねる。振袖小町の正体を知らない周りからは疑問は持たれなかったが、いわゆるナマモノに当たる振袖小町のコスプレはかりんが今日ここまで会場で目撃しただけでも数人はいたとのことであった。その証拠に振袖小町として戦っている普段の彼女とは違い手首に紙製のリストバンド型参加証が巻かれており、それを見せてこれがコスプレであると事情を知る者たちは納得した。

「あれ、ミスティさんどこ行ったんだろ」

 ミスティが姿を消していることに渉が気づく。彼女がずっと描いていたスケブもスペースから消えていた。客足の途絶えた空席のスペースからは不穏な気配が漂っていた。

 会場の通路もまた、たくさんの参加者でごった返していた。とある参加者が、近くにいた人が突然倒れたのを目撃する。この暑さなら無理もないと思いながら介抱していると、前方でも倒れた人が出たようで悲鳴が聞こえてくる。

 悲鳴は共鳴し、ホールにまで聞こえてくる。

「なんだろう……?」

 騒ぎはすぐタイムラインを駆け抜けていった。不届き者が出たことや被害者の無事を祈る声が多くを占めていたが、事件が起こったことを理由に運営を批判する者が現れる。声を上げていたのはP&Lの考えに賛同している姫の信奉者だった。

「人間の屑の集まる場所などなくなってしまえばいい!!」

 場外乱闘が起こり微笑んでいたのは案の定姫であった。ここ最近素の状態の彼女の言動は信者による支援が功を奏し、影響力を強めていた。

 だが、その代償ともいうべきか信者でない一般的な人物の多くは彼女の言動に不信感を抱き、明確に反発している者との対立が日々起こっていた。その証拠に匿名の通報で警察が本部に出動してきて強制的に追い返す羽目になったほか、迷惑系配信者が姫に対して抗議する目的でP&L本部に凸する事態が先日起こり、その後行方不明になっている事件まで起こったほどだ。

姫の行動基準は読者の皆様にはもうおわかりですね。

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