↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾伍幕「夢現」
PR
395/439

第弐拾伍幕の拾参

名古屋と夢の世界、二元中継です。

 名古屋城の石垣を上る石神。木登りというよりもロッククライミングに近かったが着実に登っていく。しかし指先にはそれなりの負担がかかっていた。

「(このまま垂直に昇れれば楽なんだがな……。空が飛べれば楽勝なのに……)」

 そう思った瞬間、彼の脚元に乗っても落ちない雲の足場が形成された。

「これは……!」

 足場は彼が思ったように移動する乗り物だった。そのまま雲に乗り、昇っている時とは比べ物にならないスピードで垂直に飛んでいった。窓ガラスからその光景を見たセルペンテは仰天し、白旗を上げざるを得なかった。

「カルネロ、これって一体……!?」

 中継映像を見ていたチュイは突然の展開に驚く。カルネロはにやりと笑い返答した。

「ここまでの彼らの装備を思い返してみるといい」

 チュイは片桐と麻生、そしてK2や北沢の装備していた鎧がどんな見た目をしていたかを振り返り、ある共通点を見出す。

「……そうか! そういうことか!」

 合点がいって納得したチュイだったが、一つ疑問を呈する。

「じゃあさっき小菅に渡した鎧は何なの? 竜なんて出てきた?」

「それは彼が鎧に秘めた能力を使ったときにわかるさ」

 そう言ってカルネロは研究室として戻っていった。彼の言葉に竜が何を表すのか、チュイとボヴィーニは答えを探し始めた。

 彼の研究室では現在、最後の1つとなる鎧の完成を急いでいた。

「これの実戦投入には……やはり邪魔になるのはこいつか」

 心底腹立たしい表情で見つめていたモニターには、P&Lの公式サイトのトップページに載っていた代表者の顔写真が映っていた。

 だんだんとサマーキッズの客足が伸びてきた。悪臭と暑さに抗いながら蓮とかんなは店を回し、振袖小町の帰還を待ち続けた。一方蓮は悪臭が漂う中、カレーの大鍋が目に入る。

「……使えるかも! でも……」

 食品ロスを防ぐ天啓が降ってきた。ひとつ問題点が浮かんだが、他に方法は思い当たらず食材を調達に急いだ。

 さくらたちは引き続き恐ろしい悪夢と仮初の幸せな夢から覚ますために奮闘するも、悪夢から覚ますべき人々はだんだんと少なくなったが幸せな夢から自ら離れようとする者など皆無だったため全体的な救出が追いついていなかった。意外にもイナリが足に噛みついて痛みで起こす方法が効果を発揮していたが、それでも焼け石に水だった。

 もちろんナフ・ヴァルキリーもただ見ているだけではなかった。

「一切怪空(いっさいかいくう)!」

 杏夏が気配と存在感を消し、紫苑とひなたと共に振袖小町の妨害を始めた。

 念願のプロ野球選手になれたにもかかわらずプロの厚い壁に跳ね返されて絶望している誠治、高井、久我はあおいとさくらとかりんの手によって解放されたが、直後に杏夏とひなたに捕まってしまっていた。

「酔生夢視(すいせいむし)!」

 軟式野球部の3人は再び悪夢に囚われてしまった。どんなに食べてもなくならず、一切太らずにスイーツを堪能している夢を見ていた久美は彼らが苦しんでいる姿を見て居ても立っても居られず食べていたパフェを放り投げて彼らのもとに駆け付けていった。パフェは地面に落下する瞬間に跡形もなく消えてなくなった。

 走ってきた彼女は杏夏がいたことに気づかず突き飛ばしてしまい、体勢を崩した彼女はとっさに紫苑の腕をつかむ。

「あなたもこっちに来るの!?」

「一緒に幸せになりましょう!」

 紫苑と杏夏は幸せな夢を見ていた女性たちに取り囲まれてしまい二人もそのまま眠りに落ち、夢を見始める。ひなたは自らその後を追い、夢を見る。

彼女たちが見る夢は次回わかります。見る人によってはかなり切ないかも。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。