表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第参幕「本心」
PR
39/327

第参幕の壱

第参幕、始まり始まり。


 さくらに続き、あおいが振袖小町となった。そして2人が力を合わせてネガボットを撃退した次の日のこと。

 さくら、あおい、蓮、そしてイナリは伊吹神社に来ていた。というのも、幹夫に相談があったからだ。

「おじいちゃーん、いるー?」

 社務所の扉を開けてさくらが呼びかける。するとしばらくして、幹夫が出てくる。

「おお、さくらにあおいちゃん、それに蓮君、イナリ君も。いらっしゃい。今日は何の用だい?」

「それなんだけど……」

 さくらとあおいは手を出して、握りこぶしを開く。するとそれぞれの初陣での戦利品が掌の上にあった。

 彼女たちが言うには、今はまだこれだけだからなんとかなるが、これからも敵襲などで振袖のカケラが手に入ると次第に膨大な数となってしまい携帯することができなくなることにあおいが気付いたのだ。それを聞いて幹夫は笑いだす。

「ああ、そのことか。ちょうど昨日言おうとしたタイミングで、あおいちゃんがさくらに食って掛かってきたんだよ。だから言いそびれちゃったよ」

 戦いで入手した振袖のカケラをそのままにしておけば、置き場所に困ることや保管に際する問題などの事態の重篤化を招くことに真っ先に気づいたのが自分だっただけに、自分のせいで二度手間になってしまったことに赤面し、あおいは謝罪する。

「それなら大丈夫。ちょっと、こっちに来なさい」

 幹夫は一行を拝殿まで案内してから、賽銭箱の前に立ち、本坪と呼ばれる大きな鈴をがらんがらんと激しく鳴らす。彼が一体何をしようとするのか予測できず、さくらたちは頭をかしげる中、イナリだけは事情を知っているようでニヤリとしている。すると……。

「よい……しょっと!」

 幹夫は賽銭箱の脇に立ち、それから両手で賽銭箱の側面を押し、そのまま力いっぱい動かした。賽銭箱の中の小銭がジャラジャラと音を立て、それをBGMにして賽銭箱が置いてあった場所に地下につながる扉があることに気づく。小さいころからなじみ深く、かつては遊び場として、そして今でも憩いの場所であるこの神社に、こんな知られざる場所があったとは今まで全く気が付かず、ただたださくらたちは目を丸くする。

 馴染みの場所に隠されていた衝撃の事実に驚きを隠せない若者たちに対して、イナリはこの場所を知っていた事実を告白する。

「あーあ、もう見つかっちゃってたのか。でも、ここに案内するのも時間の問題だったし、問題ないか」

 知っていたのなら先に言ってほしいと注意するさくらだが、聞かれなかったからとイナリは開き直る。お仕置きとしてさくらはイナリの頭を叩く。扉を開けた幹夫は、鍵を閉める。懐中電灯を頼りに薄暗い階段をゆっくりと下りていく幹夫の後をついていくと、小さな部屋が一室だけあった。その部屋の扉のまわりには、人間のものよりも明らかに小さい足跡がたくさんついていた。いざ部屋に入ると、古びて埃のかぶった衣桁だけが彼女たちが来るのを待っていたかのように鎮座していた。

まずはキーアイテムを集める系の作品あるあるの「どこに保管してるんだ?」へのアンサーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ