第弐拾肆幕の拾壱
ぴんぽんぱんぽーん。
「振袖小町!」
「ここにいるみんなをおかしくしてどうするつもり!?」
「純粋無垢な子どもたちを姫の理想郷の従順な民とするための英才教育、そして不必要なオスどもを殺処分する下ごしらえといったところかな」
ステージに顔を向けると、少年たちが陰鬱な表情をしながら今すぐに死にたいと嘆き、少女たちは覇気のない目で振袖小町へのブーイングと蘭への声援を送っていた。
「今すぐみんなを元に戻して!」
「そんなのダメに決まってるじゃない!」
馬込が拒絶する意思を表示したところ、館内放送が響き渡った。
「わかりました、ではあなたたちと我々で勝負をして、あなたたちが勝った場合はここの人々の洗脳を解きましょう」
アナウンスの声はひなたのものだった。馬込は突然のアナウンスに顔をしかめていたが、蘭は何か策があるのだろうと静観していた。
「約束したよ」
「破ったら承知しないから!」
さくらとひかりは言質を取って勝負する気満々、アナウンス内容は不服だったが馬込はひとまずは従った。
「……言ってしまったのなら仕方ない。では、このホールにいる人間の全員を外へ逃がす、もしくは私たちを倒すことができたらあなたたちの勝ち、ここにいる誰かが一人でもこの場で命を絶ったら我々の勝ち、としましょう」
蘭が互いの勝利条件を提案したところで再びアナウンスが流れる。
「蘭さん、待ってください。人数が違いすぎるうえに、条件がフェアではありません。振袖小町、この会場のどこかにいる私のことを見つけることができた場合もあなた方の勝ちとしましょう」
「ちょっと、それではこちらが……」
「異論は認めません」
さすがにこの譲歩には黙ってられず馬込が反論しようとするがアナウンスは終わり、彼女への通信も切られてしまう。
「……念には念を入れた方がいいかな」
ひなたはブレスレットから通信を外部に発信する。
「……もしもし?」
出てきた相手は彼女からの提案にニヤリとし、快諾した。
思うところのあるひなたがどう動いていくか。




