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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐幕「知略」
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35/373

第弐幕の拾参

ここまで読んでれば展開的に何が起こるかはわかると思います。ですが他にも直面している問題があるためそれをどう解決するか見てください。

 眩い光が収まると、あおいの姿はそこにはなかった。

 気が付くとあおいは、さくらが謎の白い着物を着た少女から力を授かった青空と花々が一面に広がる場所にいた。そこでは彼女が前と変わらず佇んでいた。彼女はあおいに優しく伝える。

「あなたの友を想う気持ち、慈愛に満ちた心、そして明晰な知恵。私は感じ取りました。この水の力を、人々と世界を守るために使ってください」

 彼女の手から、青い凛とした光があおいの持っている振袖のカケラへと流れていく。

 青い光と共鳴するかのように、振袖のカケラがゆっくりと青く丸い水晶のついた簪へと形を変えていく。

 簪の形が定着し終わった直後、公園にあおいが戻ってくる。手元にある簪を見て、彼女は勘づく。

「これは……そういうことね!」

「青……水の力か! あおい!!」

 あおいは気持ちを集中させ、叫ぶ。

「開花!!」

 掛け声と同時に、青く激しい光があおいを包む。彼女もまた、さくら同様0.01秒で着ていた服がもとの私服から、青い着物ドレスのような服に変わっていた。

「これが……振袖小町の……」

 自分の姿を見まわすあおい。さくらが身に纏っていたのを見ていたことや、本人の性格もあってそれほどは驚いていない。

 ここで、あおいが僅か0.01秒でどのように変身したのか、開花プロセスをもう一度見てみよう。

「開花!」と叫んだ後に、簪を髪に挿す。すると、纏っていた服が光の粒子となって消え、飛び上がったあおいの下から、大きな水柱が立ち、体を包む。

 水柱の中では、あおいの広げた両腕の前腕を覆う水は平行にした腕から滝のように下に流れていき、小袖の袂へと姿を変えていく。両足首を包んだ水は青いショートブーツになっていく。

 上半身から膝上までを包んでいた水は、フリルのついた青いノースリーブのミニ着物を形作り、あおいはそれを纏う。その上から腰に光が巻き付き白い帯となり、背中で蝶結びがされる。

 そして簪に付いた青い水晶が光ってから着地。これで変身完了である。

「な、なんだよそれ! お前が振袖小町だなんて聞いてないぞ!」

「だって、たった今なったばかりだからね。それに、乱入していいなら、こっちもありじゃなきゃ不公平じゃない? そもそも、振袖のカケラはこっちにきてこれになったから、もうこっちの勝ちだと思うよ?」

 想定外のことが起きて慌てるチュイに、今までやられた仕返しのごとく言い返すあおい。自分がやってきたことをやり返されチュイは悔しがる。

「それよりもこっちを早くなんとかしてくれー!」

 叫びが聞こえた方を向くと、蓮が未だにティーガーの放った雷から逃げるべく公園を走っていた。いくら体力には自信のある蓮とはいえ、遅かれ早かれ力尽き雷に打たれてしまう。それを防ぐべくあおいは雷を打ち消す方法を思案する。

「(あの雷は当たるまで蓮を追い続ける。標的に当たるまで消えない、それなら……!)」

 そして、自分でできる方法で蓮を救うベストな方法を思いつく。

「蓮! 雷から距離を置いて走って! もう少しの辛抱だから!」

「……そういうことか! わかった!」

 力を振り絞って走り、雷を引き離していく。そして、あおいは蓮と雷の間に走って割り込んでいき、地面に手を当てて地中から水の壁を作り、すぐに横へ離れる。それに安心して蓮は走るのをやめる。走り続けていた蓮は肩で息をするほどに体力を消耗していた。

こちらも読めばわかりますが変身にかかるタイムはどこぞの宇宙刑事が元ネタです。

「なぜ変身中に敵が攻撃しないのか」という疑問への解決策としてとてもスマートな回答ですよね。

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