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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾弐幕「信頼」
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第弐拾弐幕の拾肆

敵の敵は味方。

「蓮! ひかり! ……あれ?」

 思わぬ助太刀が一緒に現れたことに振袖小町たちは目を舞叩かせる。

「増えたくらいで何? あんたたちも我らが姫が創りかえる世界の礎になりに来たの?」

 踊り続ける夕香里を見据え、ロンは狙うべき部分を見定める。

「これを持っていてくれ」

 イナリに小さな紙袋を預けて彼は走り出し、彼女がポーズを取った隙を見て斬撃を加える。

「画竜天睛!!」

 ロンの刀が斬ったのは卯月を縛っていた口枷と縄、縛られていた彼女の手足は自由を取り戻す。これで攻撃に対する心理的障壁はなくなった。

「卯月ちゃん! こっちへ!」

 かりんは卯月を助けたい一心で波動の中突き進み、彼女のもとに辿り着いたらかんなのもとに送り届ける。

「(間違いない……あの女の仕業だ……)」

 卯月はかりんに誘導されて退避しながら夕香里の動向を目で追い、この一件の首謀者と目される人物に憎悪を募らせていた。

 人質は無事解放できたがそれでも波動がひっきりなしに飛んできていた。高威力の遠距離攻撃ができるアイリスが豪拳・山吹を構えて狙いを定めようとしたが、なかなか定まらず発射できなかった。その様子を見たあおいは、ひかりに耳打ちして彼女の能力を生かすための露払いを提案し、首を縦に振る。

「わかった!」

 今度はひかりが夕香里めがけて走り出す。

「邪悪なるものよ、月の如く冴えわたり散華せよ! 素波銀刀!!」

 ひかりは走りながら夕香里の頭と手に向けて大詰めを放ち、そのまま走り抜ける。彼女の頭と手には傷をつけずに鋭刀・白金でピュイサンス・ファムを、鋭刀・黒鋼でヘッドギアのみを破壊し、ステージに落下する。波動は発生源の破壊と同時に止まると同時に夕香里が装備していたFFVが解除され、普段着姿に戻る。

「嘘!? 負けた……!?」

 彼女はそれでも悪あがき同然に踊りを再開するが波動は出るはずもなく、攻撃手段もない時点で勝てる見込みはないと降参する。

「アイリス! 来て!」

 ひかりに呼ばれたアイリスは豪拳・山吹を両手装備に変化させ、彼女に近づく。

「やめろ!」

 無防備となった夕香里に攻撃するのかとロンは制止しようとするが、さくらとひかりは首を横に振った。

「これで大丈夫なはず!」

 ヘッドギアとピュイサンス・ファムの残骸に向けて豪拳・山吹を振り下ろし、破壊して振袖のカケラを回収する。その瞬間、夕香里はへたり込んだ。イナリが振袖のカケラの回収を済ませると、P&L製のガジェットに近づいて力が残っているか確認する。

「大丈夫! もうただの金属の塊だよ」

 ヘッドギアとピュイサンス・ファムが破壊されて夕香里の洗脳が解けると同時に、P&Lのメインコンピューター室では、コンピューター中央部に1列に並んでいる9色のランプのうちの赤いランプが消灯する。

「なんなのよあいつ!! 使えないわね!!!」

 自室でタブレットで戦況を確認していた姫は怒りだし、ひまりがなだめようとするが一切聞き入れない。そこにかぐやが彼女を廊下に連れ出す。

「まったく、姫も困ったもんだよね。そういえばあんた、この前出かけてたけど何のため?」

「さあね」

「今度の作戦のことだったりして……」

 これ以降ひまりからの言葉は帰ってこなかった。かぐやのスマホの画面には、「ウサギちゃんと遊ばない?」の献血コラボキャンペーンのページが表示されていた。

これで一人目に勝利も、奴は9人の中でも最弱……?

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