第弐拾弐幕の壱
新たな章と新たな戦いの始まり。
オリエント・ゾディアックがハンジール、もといワイルド師岡の死から息を潜めていると思いきや、貧困女性を支援する団体「Paeonia&Lily(略称P&L)」を表の顔とする振袖のカケラの力を使ってこの世界を女性だけが力を持ち男性は隷属させる、あるいは根絶やしにすることを目的として活動を始めた「姫」と名乗る不気味な女が率いる「ナフ・ヴァルキリー」を擁する新たな敵が現れた。相容れない思想を持つ彼女たちと対峙した振袖小町とその仲間たちは、動向に戦々恐々としていた。
一方で、オリエント・ゾディアックも何もしていないわけではなく、ロンが取りまとめている派閥と、屈折した少年少女を仲間に迎え入れたカルネロをトップとした派閥はあるものを求めて日本全国をまたにかけた戦いを始めようとしていた。
ロン達の派閥は無断という形ではあるが廃研究所に代わる新たな拠点とした倒産した芸能事務所「バードメット」のオフィス跡地では芸能活動で多忙なラパンを除く面々が、カルネロたちも拠点としている廃屋にかぐやとアティスこと小菅を除く面々が集まり、奇しくも同じ時間にそれぞれの部屋に集まってテーブルを囲んで、そこに置かれた一枚の紙に視線を集中させていた。
「「……あみだくじ?」」
バードメット跡ではセルペンテが、廃屋では石神が紙に書かれた縦と横の線に怪訝な目を向けていた。
その終着点には大阪、名古屋、福岡、仙台、広島と都市名が順不同に書かれており、この5都市がカルネロが指定したバトルフィールドであり、両陣営が求めるものが発見された場所でもある。
「ああ、カルネロのことだ、本人が直々に出てくる可能性は低いがどんな刺客を差し向けてくるかはわからない。つまり、対策は取れないと言っていい。ならこっちも運を天に任せようと思ってな」
ロンはいい意味で開き直っている。彼のこの考えは、生前に彼と親密な関係にあったという「大切なお方」の考え方に倣っていると語ったが、まわりは「大切なお方」が何者なのかは触れずに話を続けた。
「先生、あみだくじでは運によって行き先が決まる、つまり自分の能力と相性の悪い相手と当たってしまった場合は確実に奪える保証がなくなるのでは?」
「相手の動きを待つ、それも策略としては合理的だな」
京田がカルネロに質問し、片桐は賛成する。彼はにやりと笑ってから答えを口に出した。
「確実に手に入るのでは楽しみがなくなるだろう。ゲームか何かだと思って挑んでくれたまえ。もちろん、真剣にやることは忘れずにな」
「「ゲーム……」」
ゲームという単語に表情を曇らせる京田とチュイにカルネロは一瞬疑問を持つ顔を見せたが、それは頭の片隅に置いてから話を続ける。
「でもあたしたちは6人、1人余るけどその1人はどうするのよ?」
「振袖小町と敵対する新しい勢力が現れたと風の噂で聞いたものでな、何かあったときのために俺が東京に残る。その組織の目的まではわからないが、こちらと対立する可能性もないとは言い切れないからな」
キマの投げかけた疑問に、ロンは回答する。同じくチュイも似たような質問をしたが、彼にとってはこれが地獄の始まりとなることを、彼はまだ知る由もなかった。
これからやることとしてはビーファイターカブトのメダル争奪戦リスペクトです。




