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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾壱幕「太陽」
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324/325

第弐拾壱幕の肆

ちょいと更新できない環境にありました。今日からまた更新開始です!

 その足で小町部はあおいと蓮の家に集まり、蓮が目を覚ますのを待ってからオリエント・ゾディアックのことをひかりから聞き出すことになった。まずは、イナリを改造したのが誰なのかさくらが質問した。

「イナリ君を改造したのも、ネガボットを発明したのもカルネロ。機械に乗ってる胡散臭い科学者。ボクが覚えてる限りでは戦ったことないよね?」

 聞き覚えのない名前を耳にして全員が首を縦に振る。その流れで、さくらが挙手した。

「プチッツァだったころと口調がまるっきり違うのは……イメチェン?」

 質問内容の落差にあおいとアイリスはずっこけてしまうが、ひかりは推測を交えながら回答する。

「うまく説明できないけど、振袖のカケラで蘇ってた時は今振り返ると自分なのに自分じゃないって感じる部分があって、その一部だったんじゃないかな。今の方がいろんな意味で気持ちがすっきりしてる。もっとも、さくらたちに助けてもらうまでは違和感とかは全然なかったんだけど」

 質問したはいいものの当人にもいまいちわかっていない部分だったこともあって消化不良に終わってしまった。悪い流れができてしまったのなら切り替えていこうと、アイリスが質問する。

「オリエント・ゾディアックは誰が結成したの?」

「結成……というよりも、ボクたち12人は十二支の動物が内側に描かれた振袖のカケラで再び命を得た者が自然に集まった……みたいな感じだった。もっとも、集まったのは偶然とは思えなかったけど」

 ひかり自身もその場に悪い流れができてしまっていたことを感じていたが、連続して曖昧な回答になってしまうことを詫びながら答える。彼女が言うには、誰に聞いても自分たちを振袖のカケラで生き返らせたのが誰だったのかはわからなかったという。その存在の正体は不明であるが、今後対峙することになるであろうことはその場にいた全員が悟っていた。次に質問したのは、あおいだった。

「自分で調べたらプチッツァって名前はロシア語で鳥って意味だったけど、これって自分でつけたの?」

 質問の直後、少しの沈黙が起こる。

「……プチッツァってそういう意味だったの?」

 なんと、質問された側のひかりがポカンとしていた。自ら名乗っていた名前だったのに意味を知らなかったのかと一同が思わずツッコミを入れてしまった。

 自分でつけたわけではないことはすぐ理解できたため、誰が名前を付けたのかという形で改めてあおいが質問すると、付けたのもカルネロだったと回想しながら答えた。

「そういえばティーガーって戦車にあるよな、この前かりんに教えてもらった戦車のアニメを見てみたんだけど、それに出てたよ」

「ロンってもしかして龍?」

「ラパンは多分ウサギだと思う。ほら、ウサギのエンブレムがついてる車があるでしょ」

「チュイ、ボヴィーニ、セルペンテ、キマ、スキロス……この辺は聞いたことないのばっかだ……」

 小町部の知識を動員した推測が始まるが、確信に至る発言をしないアイリスを見て、ひかりはあらかじめさくらが自分たちのことを紹介してくれたことを思い出す。

「(確かさくらは……)」

 さくらからの紹介では、あおいは頭がよくてしっかりしている大親友、アイリスはサッカーが得意でハーフだけど英語が苦手、かりんは好きなものに対する情熱が激しくてコスプレがめちゃくちゃかわいい、かんなのことは彼女が捕まっていた時にしっかり腹を割って話したから大半は省略されてしまったが、誰に対しても分け隔てなく明るく、気を付けてないと大企業の令嬢だと忘れてしまいそうになるほどだと語っていた。そして蓮は、いつもは頼りないがやるときはやる、そして自分にとって大事な人だと照れくさそうに言っていたが、友達とは何物にも代えがたく、かけがえのない尊さのあるものであるということをこの言葉から取り戻し始める第一歩になっていた。

元敵が仲間になって開示される情報ってあるよね。

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