第弐幕の拾
ここから出陣した二人の本領発揮です。
公園へと急ぐさくらたち。ふと時計を見ると残り時間はあと3分しかなかった。公園に近づくにつれて、イナリの額の石の輝きがだんだんと強くなる。
「この反応は、ネガボットだ!」
急ぐ足をさらに急がせ、タイムアップギリギリで公園に着く。チュイが公園にいたため、この勝負はさくらたちの勝ちである。
「よし、間に合った……ってもうネガボットが暴れてる! それにあれ、隣のクラスの……!」
襲われて気を失った馬場と生気を失っている高田に気づき、今度は高田がネガボットにされたことにさくらは気づく。
「あーあ、間に合っちゃった。残念」
「この勝負、私たちの勝ち! だからあおいの持ってた振袖のカケラを返しなさい!」
「第1ステージではこっちの負けだね。でも、このゲームがこれで終わり、なんて誰も言ってないよね?」
「え? 第1ステージ?」
見た目からして言っても無理はないが、「何年何月何日何時何分何秒何曜日、地球が何回回った時?」や、「もしできなかったらお前命かけるか?」に匹敵するほどに発言が完全に小学生レベルの屁理屈だ。
相手プレイヤーでありゲームマスターによる理不尽かつ自分本位な裁定が下されたことによって、今までの苦労の末に勝ち取った結果もぬか喜びでしかなくなってしまった。
「さて、ここからは第2ステージだ。このネガボットに勝てたら、今度こそ返してあげるよ。いいね?」
一発勝負だったはずのじゃんけんを後から三回勝負にされて強制的に延長されたような気持ちだが、振袖のカケラの奪取ももちろんのこと、町を守るためにはこの勝負に乗らなければならない。
「今度も私たちが勝つんだから!」
そう言ってさくらは簪を取り出し叫ぶ。
「開花!!」
開花したさくらは、聖剣・紅を戦闘開始直後に出し、右手で持ってネガボットと戦おうとする。しかし……。
「振袖小町、待ってました! でも、お前の相手はこいつじゃないぜ! ティーガー、出番だよ!」
公園の物陰からティーガーが現れる。
「ずっと会いたかったぜ……。さくら!!」
ティーガーはさくらに襲いかかる。彼の手によって弾き飛ばされた聖剣・紅は彼女の手から離れ、公園の土の上に刺さった状態で置き去りになった。彼は公衆トイレの外壁までさくらを追い詰める。壁を背にしたさくらの目の前に立ったティーガーは左手を壁に当て、いわゆる壁ドンと同じ状態になった。
小学生あるあるの屁理屈ってなんで世代や地域で共通してるんでしょうね?
出会いがしらの壁ドン、こいつはやばいぜ!




