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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾幕「白銀」
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第弐拾幕の拾肆

ハンジールとの決着はついたけど……?


 翌日の夜、本橋ひなたはとあるレストランに足を運んでいた。

「あ! 来た来た!」

「ひなたー! 待ったよー!」

 そこは貸し切りになっていて、他には7人の彼女と同じくらいの年齢の女性が座っていた。その中には、スキロスを空腹から救った女性である永田蘭や、さくらたちから聞き込みをされたコンビニの店員である飯田皐月もいた。このユニットでは、皐月がリーダーであった。

「やっぱり二人は来てないか」

 ひなたは淋しげにつぶやくが、他の参加者たちはしょうがないと言わんばかりの表情だった。

「まあまあ、全員揃えなくてもさ、久しぶりなんだし、楽しく盛り上がろうよ!」

「……そうだね」

「じゃあ、ひなたも来たことだし、乾杯!」

「「「「「「「乾杯!」」」」」」」

 彼女たちはかつて同じ釜の飯を食った仲だった。この集まりは、Dianthus from.JPNの元メンバーによる同窓会であった。

 たまたまスキロスが助けられたことを耳にし、さくらはかりんから彼女たちの曲のデータを送ってもらい聴いていた。

 元メンバーの同窓会と、一人のファンであったかりん、そして無名時代の卯月のことをよく知らないさくらは、それぞれ別の立場と場所で同じ時間に当時のことを振り返っていた。

 卯月の人気が爆発したことでユニットも知名度そのものは上がった。しかしそれに気を良くした運営側はユニットを卯月の1トップ体制に移行し、メンバー内で卯月と他のメンバーで扱いに格差ができてしまった。

 他のメンバーへの人気にはつながらなかった証拠に、実際握手会では卯月が1日に4~5回の出番に対して他の9人は同じ時間に3人一まとめで1回か2回となることもあったという。

「奇跡の一枚」を機に、「Dianthus from.JPN」は良くも悪くも変わってしまった。「知る人ぞ知るアイドルユニット」だったのが、「因幡卯月と愉快な仲間たち」に変貌してしまった。

「私も卯月ちゃんからDianthus from.JPNを知って、卯月ちゃんが推しだったからなぁ。他の子も可愛い子ばっかりだったんだけど、何がよくなかったんだろう」

 惜しいことをしたと言わんばかりの表情でベストアルバムのジャケットの画像を見せ、卯月が大きくセンターに載り、それ以外の9人がそれよりも小さく周りを囲んでいた。スキロスが出会った女性は卯月の上に彼女より一回り小さく写真が載っていた。

 知る人ぞ知るアイドルユニットとして活動していた頃も、因幡卯月と愉快な仲間たちに変貌後も彼女たちにとっては報われない日々が続き、結果としては卯月だけが雲の上の人になって解散に追い込まれてしまったものの、彼女たちにとってはかけがえのない青春で、楽しかった日々であったことは全員にとって共通であった。

卯月ちゃんの古巣がどんなところだったか、これでわかったと思います。彼女たちの運命は!?

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