表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾幕「白銀」
PR
319/326

第弐拾幕の拾伍

Dianthus from.JPNの同窓会、何かが起こる。

「あれ、そういえばみんなって今何してるんだっけ?」

 ひなたの問いに、それぞれが回答する。一番槍となったのは、身体能力を武器にライブでもバク転などの派手なパフォーマンスをしていた元メンバーの新橋杏夏(しんばしきょうか)だった。

「私は他のユニットのオーディション番組の企画があったから今はそれに挑戦してる。弱肉強食なのはここでも同じで、可愛い子いっぱいいるから大変だけどね」

 続いて、セクシーさが持ち味だった越前紫苑(えちぜんしおん)がゆっくりとワインを口にしながら近況報告する。

「私と夕香里、それと沙羅は3人で同じ事務所にお世話になってる。解散と一緒に事務所はつぶれたけど、諦めたくなかったから」

「うん、あたしだって負けてらんないからね」

 あざとい小悪魔系で鳴らしていた坂上夕香里(さかがみゆかり)が一言付け加える。

「かすみんは? 芸能界は引退したんだよね?」

 最年少メンバーだった綾瀬沙羅(あやせさら)からかすみんと呼ばれたのはロリータファッションに身を包んだ元メンバーの関香澄(せきかすみ)で、サブカル電波系のオタクキャラだった。かすみんというのはユニットとしてのニックネームでもあった。

「そうそう。アイドルも楽しかったけど今はお休みして、高校で漫研に入ってる。卒業したら進学する予定だけど、それより楽しみなのは……今度コミケにサークルで出ることー♪」

 ひなたは楽しそうに語る彼女を淋しげに見つめる。それに気づく者がいない中、皐月の番になる。

「私も香澄と同じで引退したけど、就活もなかなか強敵で、正社員にはなれなくてね……。蘭は配信やってるんだっけ? チャンネル登録してあるよ」

 苦笑いして語る皐月の出した雰囲気をすぐさま蘭がフォローしてかき消す。

「今度みんなもゲスト出演で配信においでよ。私は今フリーだけど、それはそれで楽しいよ」

「もちろん!」

 楽しかったあの頃のように和気藹々とした空気が広がっていく中、一人蚊帳の外になっていくひなた。彼女は葛藤を振り払い、口を開いた。

「ねぇ……これ見て」

 ひなたがスマホの画面を7人に見せる。そこには、後光の差した一人の女性と、それに似つかわしくないサイケデリックな背景の画像であった。それを見た7人は意識が遠のいていき、目が虚ろになる。そして彼女たちは立ち上がって左胸に手を当て、シュプレヒコールを唱え始める。

「「「「「「「全ては、姫のために……! 全ては、姫のために……!」」」」」」」

「(みんな……本当にごめん……)」

 止まることを知らない響き渡る無機質な掛け声の中、後戻りのできなくなったひなたは一人涙を流していた。

突然の催眠アプリみたいな展開、彼女たちはどうなってしまったのか!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ