第弐拾幕の拾壱
束の間の再会。
「ひかり!」
「心配したぞ!」
突如姿を消したひかりを心配する両親。
「あのね、今からまたあっちに行ってくることになったんだ。だから、その前に一言いいたいことがあるんだ」
両親はそれが何か聞くと、ひかりは満面の笑みで返した。
「ボクは、生まれてきてよかった。ありがとう、パパ、ママ」
そこから、使命感を帯びた真剣な顔で言葉を続ける。
「でも、まだなんで生まれてきたのか答えが見つかってないから、それを探したい。そして、振袖小町の仲間として、世界を守りたい! だから……見守っててね! 最後に……パパ、ママ、愛してる!」
ゆっくりと姿が消えていく愛娘に聞こえるよう、両親は大きな声で返答する。
「パパもひかりを愛してるぞー!!」
「ひかり、ママも愛してる」
完全にひかりの姿は消えていった。両親は大きくなった愛娘を見送り、完全に彼女の姿が見えなくなった後に名残を惜しみながら口を開く。
「僕たちが知らない間に、ひかりは本当に立派になったね」
「あと6、70年くらいしたら再会したいね」
「今あっちはいろいろ大変みたいだし、こっちからできることは……無事を祈ることだけかな」
「私たちの娘だよ、大丈夫に決まってるじゃないの」
両親は愛する娘の無事を祈りながら、彼女が再び歩み始めた旅路に幸多からんことを願い送り出した。
「戻りましたね。答えを聞かせてください」
白い着物の少女の元へ戻ってきたひかりは、答えを返す。
「わかりました。それでは、この金の力を、人々と世界を守るために使ってください。繰り返し忠告しますが、あなたは一度ならぬ二度も命を落とした身、いつまた命が尽きるかはわからないということだけはくれぐれも忘れないようにしてください」
少女からの忠告を肝に銘じながら、ひかりは謹んで研ぎ澄まされた銀色の光を全身に浴び、そのまま彼女の体に吸収される。その顔はすがすがしさと決意に満ちていた。
ひかりがもとの世界に戻っていった後、少女は目に入った自分の手が透けていることに気づく。
「もう……時間がありませんね」
化け物と形容すべき姿に変貌を遂げてしまったハンジールの猛攻に防戦一方の振袖小町は、これ以上の破壊を防ぐために触手に抗い続けた。しかし、さくら以外の3人の脳裏には、暖簾に腕押しの現状と疲労から諦めるという文字がちらつき始めていた。
「……全然効いてない!」
「もう、ダメなの……?」
「こんなことって……!」
「希望を捨てちゃダメ! 私たちは絶対に勝てる!!」
さくらが叫んだそのとき、不思議なことが起こった。
うっすらと光り続けていたかんなの持つ振袖のカケラが激しく輝きだした。振袖小町は彼女の方に視線がいく。ハンジールはその光を見逃さず、彼女に向かって一直線に駆けだした。
「かんな! 危ない!!」
せめて彼女を守ろう、そう思い走り出した瞬間、振袖のカケラの輝きがこれまで見たことないほどに強くなる。そして……!
強敵の登場には、これがいなきゃね!って要素が出るよ!




