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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第弐拾幕「白銀」
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第弐拾幕の肆

帰ってきたアイツ達。

 生前に本性を知らずに深い関係になったがゆえにひどく裏切られた相手とは違い、自分はありふれた名前だから別人か、そうでなければ空耳だろうと思っていたが、ふと振り向くと……。

 放課後、小町部は玄太から聞き込みをする。どこの病院に入院しているかまでは一介のプロレスファンである彼でもさすがにわからなかったが、ファンとして許せない事件だったこともあっただけにSNSを駆使して自力でいくつか情報を得ていた。それらをもとに、二手に分かれて現場を捜索していた。

 さくら、あおい、かんなはアイル・ノーズが来日中に宿泊していたホテル「メタセコイア」付近に来ていた。

 しかし、襲撃時と違ってまだ日は高く上っており、それらしき人物はおろか事件のあった形跡すら見つからなかった。

 このままでは埒が明かない。そのため近くにあるコンビニに向かい、聞き込みをすることにした。

 さくらが雑誌の売り場で当日発売した漫画雑誌を並べていた若い女性店員に声をかけ、情報がないか話を聞いた。

「ちょっとわからないですね、すみません。力になれなくてごめんなさい」

 大きな成果は得られなかったが、店員のアイドル顔負けの明るい笑顔が印象に残り、晴れやかな気持ちとなったひと時であった。そんな中かんなは彼女の顔に既視感を覚えるも、どこで見かけたのかが思い出せずもどかしい気持ちにもなっていた。

 同じ頃、カルネロ一派が根城にしている廃屋に、チュイの先導でぞろぞろとスカウトされた若者がやってくる。これまでの5人に加え、新たなメンバーが加わった。

「……お前は!」

 新メンバーの顔を見るや否や、石神がぺらぺらと彼の現状を話し出す。

 二人の新メンバーのうち一人は、テニス部の実力者で校内屈指のイケメンであったが、それを悪用して学校中の女子をたぶらかしてとっかえひっかえした挙句他校の生徒にも手を出し、戦利品として制服の一部をコレクションしていた色恋沙汰版シリアルキラーであることが体育祭後に明るみに出て校内で総スカンを食らったうえ、唯一本性を気づかれていた目の上のたん瘤である部長に濡れ衣を着せて退部させたが、事態の発覚後は逆に自分が部を追われる立場になったうえにわざわざ陥れたのに濡れ衣が晴れたことで部長が部に復帰してしまうという失態を犯した男。

 もう一人は目に付いた不快、あるいは個人的な物差しで違反だと判断した行為をした者を見かけると、たとえ校則などで一切問題がなかったとしても個人的解釈による歪曲、時には無実の罪を着せて教師に報告し、停学者を多く出して多くのクラスで体育祭に出場できなくなった生徒を出し、果ては自主退学まで出る事態になった黒幕だったことがバレて謹慎させられ、それが明けた後に被害者たちに逆襲された男だった。

 あたかも笑い話かの如く軽い口調で語り、石神の相棒と言える北沢は一緒に嗤っていたが当人たちからはもちろん純粋な憎しみだけが入った視線を送られ、K2と小菅は彼らがけらけらとあざ笑っていた姿に愚かさを改めて感じ、彼らとは初対面でこの件とは一切無関係のかぐやですら笑われていた側ではなく笑っていた側にドン引きしていた。

「それでだなー……」

 まだまだ話し足りないようで話を続けようとする石神を見て、かぐやは苛立ちを覚えて拳を握り締める。面々の中でも最も短気な小菅に至っては足が万全なら今すぐ助走をつけて殴る、あるいは蹴り飛ばしてやりたいと思っていた。

「この野郎、言わせておけば……!」

「テニス部のイケメンプレイヤー」という外面などもうかなぐり捨てた片桐が殴りかかろうとした、その時だった。

 かぐやが握っていた振袖のカケラが光り、石神の頭を締め付けるような激痛が走る。これにはその場にいた全員が驚きを隠せず、何が起こったのか一瞬わからないほどであった。

 カルネロはこの光景を見て目を見開き、今後の彼らのポテンシャルに更なる期待を寄せていた。

だんだん嫌な奴らのモチーフがわかってきたかな?

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