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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾捌幕「天使」
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第拾捌幕の拾陸

プチッツァが創る理想郷が語られる。

 あおいとティーガーが廃研究所に到着する。プチッツァの暴走はロン達3人がかりで迎え撃っても留まるどころか勢いがどんどん増していくばかりであった。

「ティーガー! 青い振袖小町! 力を貸してくれ!」

 ロンの声に応えるかのようにあおいは烈槍・紺碧を構え、ティーガーは両手に付けられていたゴム手袋を破り捨てて両手に電撃を走らせる。

 さくらは、あおいに教えてもらった蓮が入院している病室に到着する。彼は傷を癒すべく深い眠りについていた。

 彼が一命をとりとめていたことを自分の目で確認できただけでも良かったと思い、起こしては悪いとそっと病室を出ようとした瞬間、蓮が目を覚ます。

「……さくら?」

「蓮?」

 廃研究所の真上にいるプチッツァが6枚の翼をすべて光らせる。

「彩色剣美!!」

 輝いた翼から5色の羽根の雨を降らせてくる。ティーガーが電撃で、ライフルを持って戻ってきたゴーダが銃弾で撃ち落とそうとするがとてもではないが対応できる数ではなかった。このままではいくら攻撃してもいずれはジリ貧に陥り力尽きるのが見えていた。

 そこに、救世主が現れる。羽根を降らせ終えたプチッツァに、ジェット噴射を使った高速のキックが空中から決まったのだ。

 キックを食らう寸前に翼で体を覆い防御したため直撃はしたものの大きなダメージは与えられなかったが、それでも彼女に隙を作らせるには充分であった。

「あ、あなたは!」

 普通なら空中にいるわけがない人物の登場に呆気にとられるプチッツァに、真剣な眼差しでエリーは対峙していた。

「青い振袖小町、行け!」

 ロンの声に応え、あおいが烈槍・紺碧を頭上で回転させて空に向かって水流を形成し、それを駆けのぼっていく。

「邪悪なるものよ、高貴に散華せよ! 明鏡刺水!!」

 渾身の力で貫こうとしたあおいだったが、黄色い翼を羽ばたかせて防ぎ、水流も消えてしまい落下する。

「あおいっち様! ……ひかり! いい加減にしなさい!!」

「ごめん、えり姉。ボク、これからこの世界を創りかえるから、えり姉の言うことでも無理。どっちにしてもみんなに消えてもらわなきゃいけないから、今でも後でも同じだよね」

 捨て鉢になる彼女の胸元が虹色に輝きだし、遂に自分が創ろうとしている世界を言葉に出す。

「人間がみんな誰の力も借りず、誰の助けもなくそれぞれが独りで生きていける世界を創るために……!!」

 そう宣言し、空にいるエリー、そして地上にいるあおいとロン、ティーガー、キマ、ゴーダに向けて覚悟を決めた目とともに再び5色の羽根をそれぞれの方向に飛ばしていった。

 廃屋にもプチッツァの暴走の情報が行き渡っていた。しかし今は静観として待機することになった。

 そこに、カルネロが一人の少女を連れて帰還する。

「待たせたね、君たちに新しい仲間を紹介しよう。上野……かぐや君だ」

かつての親友同士がそれぞれ孤独へと進む、新たな仲間を得る、真逆の道を歩んでいる。

強大な力に勝つ術はあるのか!?

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