第拾捌幕の拾肆
出ました新戦士!?
研究施設の最奥部にあるメカニカルな着物が鎮座している部屋で連絡を受けたエリーは、普段のクラシカルスタイルのメイド服ではなく、どこぞの汎用人型決戦兵器などを操縦する際に身に着けるもののような身体にフィットしたアンダーウェアを着用していた。
着ざるを得ない状況であることはわかっているが、慣れないものを着ているというのはまだしも体のラインがはっきりとわかってしまうことを理由に羞恥心が若干出てしまっていた。
追い打ちをかけるかのように、デザインも布面積の多さは機能の都合上こちらに軍配が上がってはいるがグラビアアイドルが撮影やイベントで着ている中でもかなり露出の高い水着のようでかなりきわどく、できることならば今すぐにデザイナーに対してクレームを入れてやりたいという静かな怒りが込み上げているが、そのようなことを言っている場合ではない事態、平静を装いつつ準備を完了させる。
「ぶっつけ本番ですか……それもまた一興」
部屋の中心に飾られているメカニカルな着物ドレスの前に立ち、背を向ける。
「主任、準備をお願いします。……物着!!」
そう言ってから、エリーは昔の特撮にありがちな仰々しいながらもキレの良さが光る変身ポーズを決める。
「……はい」
アニメや特撮などでしかお目にかかれない変身ポーズを彼女が決めたことに驚き、必須であるとはいえあのデザインのアンダーウェアを着ることも大概ではあるがそれよりもわざわざやる必要性が全くないそちらの方がよっぽど恥ずかしいのではないのかと感じながら本橋が手元にある装置のスイッチを押すと、着物ドレスがもとあった場所から一瞬で消える。
と思いきや、次の瞬間にはエリーの全身を包んでいた。これにはこうなることがわかっている本人も困惑していた。
金丸ファウンデーションがこれまでの振袖小町の戦闘データをもとに現代の最先端の技術をもって製造した人工の振袖小町の着物「NEW(Next Era Wish)キモノ」は、わずか1ミリ秒で装着を完了する。では、装着プロセスをもう一度見てみよう。
本橋がスイッチを押すと、非使用時に飾られているマネキンから垂直に浮かび上がる。すると、本体、小袖、そして帯の3つに分割される。本体から放たれた光の粒子がハイヒールを形成する。
まず本体がエリーの背後から抱きしめるように纏われ、右前に整えられる。パイロットスーツとの間に反発し合う力が起こって体から数ミリ浮いた状態で固定される。
次に小袖とハイヒールがエリーの前腕と足に向かって飛んでいき、先に小袖が本体と同じ要領で固定されてから、小袖が彼女の体を持ち上げ、空中に浮かんだ状態の彼女の下に入り込んだハイヒールが足にフィットする。
そして帯が腰に巻き付いてから、最後に背中で蝶結びがされる。
装着が完了すると同時に、エリーが着用していたアンダーウェアが光学迷彩によって透明になる。これにて装着が完了される。
天然物の主役ヒーローに対する人工の装備で戦うヒーロー、かっこいいよね!




