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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾漆幕「邂逅」
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262/389

第拾漆幕の肆

家庭科でやったとしても久々に縫物をすると意外と手こずるよね。


 当日フリージアで行う活動は、アイリスと蓮によるサッカー教室、あおいによる一日家庭教師、そして全員で子どもたちに劇を披露することになった。そして日にちも決まっていた。ちなみにアイリスは自分が主催の料理教室をやりたかったそうで意見を出したが、満場一致で却下されてしまいがっかりしていた。

 本来であれば例年は超日本プロレスの看板的存在であった人気と実力を兼ね備えたプロレスラーのワイルド師岡が訪問していたのだが、さくらが振袖小町になるほんの少し前にリング禍によりかなわなくなってしまったため今年は因幡卯月が訪問することになり、フリージア側と卯月側の快諾でそれと同日に行けることになった。

 劇の準備は2班に分かれて行われた。あおい、蓮、かんなが劇の題材を考え、かりん、さくら、アイリスは蓮が先日の体育祭でリレーを共に走ったコネを利用して演劇部から不要になった衣装を譲り受け手直しをはじめた。

 あおいたちは雑多且つ統一感のかけらすらない衣装たちの中からに使えそうなものを選んでいく。さくらとアイリスは中学での家庭科の授業以来久方ぶりに針に糸を通し、基本コスプレは自作派のかりんにやり方を教わりながら破れた部分やほつれを縫っていく。不慣れな手つきながらも縫い始めてしばらく経った頃だった。

「痛っ!」

 アイリスが誤って針で指を刺してしまい、微量ではあったが血が出てしまう。かりんは絆創膏がどこにあるかさくらに聞くが、アイリスの指から流れる血が目に入った途端衣装と縫い針を落としてさくらは全身から力が抜け、意識がフリーズしてしまっていた。

「……おーいさくらー。聞こえるかーい」

 耳元で声をかけると、さくらの意識がそちらに向いて絆創膏を取りに行く。それを聞いていたあおいと蓮は、さくらが部屋を出たのを確認してからアイリスとかりん、そしてイナリを呼び一緒に話を考えていたかんなも含めてある注意喚起を行った。

「うん、わかった」

「みんなこういうのあるよね」

 友人として親密にはなってきたが、まだ出会って数ヶ月。お互い知らないこともまだまだあると感じたアイリスとかりんであった。

 絆創膏を持って戻ってきたさくらはアイリスの指に絆創膏を張ろうとするが手が震えており、蓮がさくらの手から絆創膏を取って代わりに貼った。

今回はまだ出会って数ヶ月の彼女たちが親交を深めるための展開になります。さてどうなるでしょう?

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