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華のお江戸の振袖小町  作者: 水虎
第拾弐幕「休日」
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第拾弐幕の玖

美少女二人がイチャイチャしてると……?

 繁華街の雑踏を歩くかりんと美卯。まず目についたのはクレープ屋だった。

「行こっか」

「賛成!」

 かりんはストロベリーと生クリーム、美卯はバナナとメープルシロップにバニラアイスを乗せたクレープを注文し、ガラス越しに店員が生地を作る姿を見て目を輝かせる。アイドル因幡卯月も、普通の女の子の一面もあるのだ。

 出来上がったクレープを受け取り、お金を払ってから店の近くにある木でできたベンチに肩を並べて座って食べる二人。クレープのおいしさに舌鼓を打っていると、2人組の男が声をかけてくる。

「ねーねー、俺たちとお茶しない?」

「いい店知ってるからおごっちゃうよ?」

 どこからどう見てもナンパ、しかもかなり古典的なものだ。無視を決め込もうとするかりんだったが二人の姿を見てかつての忌まわしい過去が頭をよぎり、怯えて呼吸が荒くなってしまう。

 恐怖とトラウマで何もできないかりんを見た美卯は何も言わずに立ち上がる。

「お? 来てくれるの?」

 そのまま二人についていく美卯。

「美卯ちゃんってさー、因幡卯月に似てない?」

「そ、そんなことないですよー」

「一緒にいた子も可愛いし、俺ら超ラッキーじゃね?」

「ですよねー!!」

 男のチャラい言動に吐き気をしながらついていったその先に待っていたのは、繁華街から少し外れたところにあるラブホテルだった。

「俺はこの子と先にチェックインしてくるから、もう片方の子連れてきて」

「りょ」

 二人組のうちのニット帽の男が美卯の手をつかみ、共にラブホテルに入ろうとした瞬間、低い声で卯月が抵抗する。

「……やめて」

「……あ?」

 耳に手を当てるニット帽の男。金髪の男は足を止め振り向く。

「あんたたち……いらない」

 ラパンの体から禍々しいオーラが出る。そして帽子の下から蔑みの視線が現れ、恐怖のあまり男たちはこの世の終わりかの如く必死で逃げだす。

「「ご、ごめんなさーい!!」」

「次会ったら……踏みつぶす」

 冷酷に吐き捨てるラパン。そして何事もなかったかのように美卯はかりんのもとに戻ってくる。

百合の間に挟まる男は万死に値する。生きてるだけまだましだと思え。

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