お酒は二度と飲まないと心に誓った。
午後1時。オフィスに戻ると、キラは椅子にぐったりと体を埋め、パソコンを起動した。資料を開く間もなく、まるでゾンビのような酷い顔をした大輝がくるりとこちらに振り向いた。彼は片手で頭を支えながら、泣き言を言った。
「キラ……君も頭、ガンガンしてる? 昨日の夜は飲みすぎて、完全に記憶が飛んじゃったよ。君の家のドアの前に立っていたおぼろげな記憶があって、気づいたら自分のベッドの上だったんだ。今日、社長にお説教された?」
キラはタイピングする手を止め、信じられないというように顔を上げた。「待って、あなたとヨシさんの二人が私を家まで送ってくれたの?」
大輝は大きなあくびを漏らした。「リンさんもだよ。社長は昨夜、僕たちの面倒を二人とも見なきゃいけなかったんだ。本当に大迷惑をかけちゃったな……」
大輝はうめき声を上げながら自分のデスクへと向き直った。キラは充電中のスマートフォンの電源を入れ、不意に背筋をピンと伸ばした。
今朝の8時にリンから届いた、未読のメッセージがあった。
**リン:**「キラ、生きてる? 昨日の夜のあなた、本当に大暴れだったよ! 秋野さんに部屋まで抱えられて運ばれるとき、社長に吐きそうになってたし、服まで脱ごうとしてたんだから。秋野さん、顔を真っ赤にしてたよ。その上、大輝も完全に出来上がってて、あなたの寝室に無理やり入ろうとし続けるし。秋野さんは文字通り、大輝の首根っこを掴んで、野良猫みたいに廊下に引きずり出してた。その後大輝を家まで送らなきゃいけなかったから、社長は絶対に一睡もしていないはず。今朝迎えに来たとき、お説教された?」
キラはうめき声を漏らし、顔が恥ずかしさでカッと熱くなった。しかし、画面をスクロールし続けるうちに、彼女の心臓は完全に停止しかけた。
発信履歴:2時間30分。
なんてことだ。彼女は昨夜の深夜、酔っ払った状態で実際にヨシに電話をかけていたのだ。そして、2時間以上もの間、自分が一体何を口走っていたのかは完全に謎だった。
彼女の指はキーボードの上でためらいがちに彷徨った。手短い謝罪文を打ち込んでみたものの、すぐにそれを消去した。間違い電話だったという単純な言い訳すら、これほど長い通話時間に対しては完全に不自然だった。まともな人間なら誰も信じるはずがなかった。
キラはうめき、デスクに額をぶつけた。
キラ、ああ、キラ。お酒は二度と飲まないと心に誓った。
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