表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/198

石炭炭鉱を復活せよ①

第19話 石炭炭鉱を復活せよ①


炭鉱を復活させる。

そのための最初の一手は――運搬だった。

ベルトコンベアは、社長自ら設計した。


重い石炭を運ぶため、モーターと減速ギアを組み込み、低速高トルク仕様にした。


軸受けは厚く、駆動部はすべて鉄のケースで密閉。

ガスが充満しても火花が外に出ない構造だ。


試験運転。

大量の岩を乗せる。


ゴウン……と低い音を立て、ベルトがゆっくり動き出す。

石が運ばれていく。

速度を上げる。

落ちない。滑らない。


「……よし。」


会心だった。

これを何本も坑道に並べれば、掘った石炭は一気に外へ出せる。


人力とは比べものにならない。

生産性は跳ね上がる。



次は掘削機。

工場裏の試験場で、巨大な岩にドリルビットを当てる。


「回せ。」


スイッチが入る。

ギュイイイイイイイイイ!!

石が削れ、粉が舞う。

少年たちが歓声を上げる。


「すげぇ!!」


だが――

焦げ臭い。

次の瞬間、火花が散った。


「止めろ!!」


緊急停止。

ドリルを分解すると、モーターの電線が黒く焦げていた。


布巻き絶縁が焼け落ちている。

社長は黙って指で触れた。


(……甘かった。)


炭鉱は高温。粉塵。振動。

理屈だけでは持たない。


「裸銅線に布は駄目だな。」


もっと耐熱が必要だ。

ガラス管に銅線を通し、周囲にゴムを流し込む。

さらに不燃オイルを染み込ませた絹テープを何重にも巻く。


試作第二号。

硬い。重い。だが燃えない。

再テスト。

今度は煙が出ない。


「……いける。」


掘削機も、コンベアも、炭鉱仕様に耐えた。



最後の壁は照明だった。

裸電球。

スイッチの入り切りでスパークが出る。

フィラメントは高温。


ガスがあれば一瞬で爆発だ。

LEDがあれば――と何度も思った。

だが、この世界に半導体はない。


「ならば、閉じ込める。」


電球を厚いガラス瓶に入れる。

継ぎ目をシール材で完全密閉。

さらに外側を鋼鉄ケースで覆う。


万一内部で爆発しても、外に炎は出ない構造。

試験室でガスを充満させて点灯。

……爆発しない。


内部で小さな閃光が走ったが、外は無傷。


「これで行く。」



数日後。

宰相から正式な試運転許可が出た。


開発チームは装置一式を積み込み、蒸気トラックで炭鉱へ向かう。


ところが――

坂道で止まった。


「……押せっ!」


全員で押す。

上のトラックが下のトラックを牽引する。


蒸気は噴き出し、男たちは汗だく。

発明は完璧でも、輸送は未熟。

それでも進む。


炭鉱村が見えてきた。

――だが。

黒煙が、まだ上がっている。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価【★★★★★】で応援していただけると嬉しいです!


すごく励みになります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ