表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/198

気を取られていた

第14話 気を取られていた


サンブレロ村のことばかり考えていた。


煙を上げる工場。

子供たちの声が響く学校。

回り続ける蒸気機関。


整列する消防隊――

順調だ。

すべてが、うまく回り始めている。 


だが――

自分が“貴族”であることを、忘れていた。



その時だった。

妙に静かだ。

森の音が、消えている。

次の瞬間――


馬車が急停止した。


「どうした?」


「危険です。強盗です!」


「中に!」


御者の少年の声が震える。

外で怒号。


ガード二名が飛び出す。

剣戟の音。


金属がぶつかり合う音が、すぐ近くで響く。

だが――


「ガード付きか、ちっ。」


相手は様子を見ると、すぐ退いた。

足音が遠ざかる。


逃走。

静寂。

社長は、自分の手が冷えていることに気づいた。


(俺が……狙われた?)



現実。

貴族は守られる存在ではない。

守る側だ。


屋敷。

家族。

領地。

工場。


すべてが標的になる。

社長は急いで商人協会に依頼し、護衛を十人雇った。

だが――



数日後。

スターユニオン新聞、一面。

ギャング団暗躍。


商人一家襲撃、全滅。

焼け落ちた屋敷。

黒く焦げた壁。


そして――静まり返った庭。

空気が変わった。

これは、ただの強盗ではない。

組織的だ。



社長は孤児院へ向かった。

少年警備隊の訓練を見る。

まだ幼い。


だが、その目には意志が宿り始めている。

社長は、静かに口を開いた。


「選抜を行う。」


ざわめきが走る。


「家臣候補だ。」


空気が変わった。

少年たちの目が変わる。

守られる側から――守る側へ。


その覚悟が、そこに生まれる。

だが――


(俺は……この子たちを戦わせるのか。)


胸の奥が、重く沈む。

逃げたい。

だが、逃げれば守れない。

社長は、目を閉じ――


そして、開いた。


(……違う。)


戦わせるんじゃない。

守るための“仕組み”を与えるんだ。


そのために――

社長は、目を逸らさなかった。


ここまで読んでいただきありがとうございます!

もし少しでも続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価【★★★★★】で応援していただけると嬉しいです!

すごく励みになります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ