トラック工場完成
第13話 トラック工場完成
ついに蒸気トラック工場が完成した。
巨大な煙突。
鉄骨の梁。
並ぶ作業台。
だが予想外の出来事があった。
完成式典に、なんと陛下自らが姿を現したのだ。
工場中が凍りつく。
予定外の警備、急な整列、慌てる職人たち。
社長は一歩前に出て、深く礼をした。
式は盛大に行われた。
拍手。
祝砲。
蒸気の噴出。
そして――
いよいよ稼働開始。
生まれたての機械
フレーム班。
ボイラー班。
タイヤ班。
運転席班。
流れ作業で組み立てられる蒸気トラック。
フレームはまだボルト固定。
(いずれ溶接に切り替える。)
運転席は木製。
荷台も馬車の延長。
タイヤは細く、軽量化を優先。
だが社長は眉をひそめる。
(荒地で酷使すれば、すぐ壊れるな…。)
簡易工具箱を標準装備にする案を考える。
売るだけでは足りない。
「維持できる仕組み」まで作らねばならない。
そして、火災
完成の喜びも束の間。
村で火事が起きた。
小屋が全焼。
原因は子供の火遊び。
黒く焦げた柱を前に、社長は黙る。
(これは……まずい。)
発展すれば、火も増える。
煙突。ボイラー。炉。
火事は必ず起きる。
ならば――
備えるしかない。
消防隊の創設
孤児に声をかけると、十二人が立候補した。
迷いはない。
蒸気トラックを一台、赤く塗装。
荷台に手押しポンプとホースを積む。
斧、ノコギリ、縄。
山火事対策も考える。
「防火帯を作る。」
森の一部をあらかじめ伐採し、延焼を防ぐ。
「燃えるものがなければ、火は止まる。」
水をかけるだけでは足りない。
蒸気機関の知識があるからこそ分かる。
水蒸気爆発の危険。
むやみに水をかければ被害が広がる。
訓練。
巡回。
装備点検。
消防隊は、少年警備隊とは違う。
命を預かる部隊だ。
社長は赤い車両を見つめる。
(これで、守れるか。)
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