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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


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サンブレロ村、さらに発展

第9話 サンブレロ村、さらに発展


蒸気トラック専用工場の計画が動き出すと、村は一気に忙しくなった。

まずは受け皿だ。

宿屋。

作業員寮。

料理人の一号店。

鍛冶屋の一号店。

大衆食堂。


「人が増えれば、街になる。」


社長はそう言った。

視察のため森へ入る。

蒸気トラック工場は巨大になる。

広大な敷地が必要だった。


「この一帯を伐採するしかないな。」


森を見上げる。

木々が風に揺れる。

未来の鉄骨と煙突の姿が、そこに重なって見えた。

場所を決めると、社長は自室へ戻り設計図を描き始める。

だが――

ペンが止まった。


「……少し、疲れたな。」


その夜、高熱を出した。

数日間、寝込むことになる。

熱の中の計算

布団の中。

天井を見つめながら、思考だけが止まらない。


(発電所を鉱山側にも作れと言っていたな……。)


鉱山。

そこにはトロッコがあるはずだ。


(蒸気トラックの足回りを車輪型に変更すれば……。)


レール上を走る。

トロッコを牽引。


「……機関車だな。」


自分で小さく笑う。

妻たちが心配そうに覗き込む。


「お願いですから休んでください」


「王命だ。」


「だからといって死んだら意味がありません!」


叱られる。

だが社長の目は遠くを見ている。

その先にあるもの


(この金で学校を作れる。)


それが本音だった。

子供たちには教育が必要だ。

孤児院は定員オーバー。


年長者は工場で働かせるしかない。

だが、ただの労働者にはしない。


読み書き。

算術。

機械の基礎。


「サンブレロ蒸気トラック工場で、学びながら働く。」


それが理想だ。

布団の中で、未来の街並みを思い描く。


煙突。

電灯。

学校。

笑う子供。

熱で体は重い。


だが頭の中では、蒸気機関が止まらない。


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