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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


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原因究明と復興 ― 妻たちの反撃 ― 

第62話 原因究明と復興 ― 妻たちの反撃 ― 


社長は寝込んだ。


医者は安静を命じた。


「絶対に無理はさせないでください」


その言葉を聞いた瞬間、二人の妻の目が変わった。

守る側から――戦う側へ。

◆ 朝


「私は経理を洗います。資金の流れを全部追います」


経理課長の声は低く、冷たい。


「私は商人協会へ行きます。父に相談します」


秘書は即座に外套を羽織った。

迷いはない。

二人は別々の方向へ歩き出す。

その背中に、躊躇はなかった。


◆ 商人協会


秘書は父の執務室へ入る。


「マルペン商会は不渡りを出しました」


「聞いている」


父は静かに言った。


「商人は信用がすべてだ」


「復興を助けていただけませんか?」


父はしばらく沈黙する。


「助けたい。だがな……」


顔を上げる。


「マルペン商会は潰したままがいい」


「……なぜです?」


「一度信用を失った看板は戻らん」


秘書は拳を握る。


「では、どうすれば」


父は微笑んだ。


「新しい会社を作るんだ」


「……!」


「中身は同じ。名前だけ変える」


秘書は息を呑む。


「信用は“人”に付く。看板に付くわけではない」


父は続ける。


「社長の信用はまだ死んでいない」


娘は父に抱きついた。


「ありがとう、お父様!」


◆ 経理課長の逆襲


一方。


マルペン商会の金庫。

壊された形跡はない。

だが中身は空。


「内部犯行ね」


静かに呟く。

怒りで震えているが、声は冷静だ。


(うちの旦那様に……)


(よくも)


経理課長は怒るほど頭が冴える。

まず衛兵へ被害届を提出。

状況を詳細に説明。


倉庫の状況。 金庫。 不渡り。 口座残高。


衛兵を連れて工場へ戻る。


「見なさい。これが被害の証拠です」


帳簿を突きつける。


「出金の最終記録はいつ?」


「社長不在の三日後です」


「その時の担当は?」


名前が浮かぶ。

あの男だ。

酒場で愚痴をこぼしていた販売課長。

経理課長は即断する。


「家宅捜索をお願いします」


衛兵と共に、社員の家を一軒ずつ回る。


倉庫から持ち出された商品。 見覚えのある刻印。 金貨。

証拠は、出た。


販売課長は黙り込んで項垂れ、衛兵に連行されて行った。


今の彼女は経理の鬼ではない。

捜査の鬼。

そして――

復讐の鬼。


◆ 少年たち


その頃。


荒れた工場に、少年たちが戻っていた。


「社長さん、帰ってきたらしいぞ!」


「本当か!?」


「みんなで会いに行こう!」


「行こう!」


彼らは知っている。

社長は逃げない。

裏切らない。

だから、戻ってくる。

彼らの目には、まだ火がある。


◆ 屋敷


寝台で横たわる社長。

だが、屋敷の空気は変わった。


静かな怒り。


動き出した妻たち。

動き出した少年たち。


社長が蒔いた種は、確実に根を張っている。

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