ドン底
第56話 ドン底
ドン底なマルペン社長は、三日間ベッドから出なかった。
商会は倒産した。
書類の山も、部下の声も、債権者の怒号も、今はない。
あるのは静寂だけだ。
俺は、経営者に向いていなかったのか。
天井を見つめる。
木目の節が、まるで誰かの嘲笑に見える。
窓の外は蒼天だった。
腹立たしいほど青い。
「……なんでだ。」
小さく呟く。
貯金はある。
だが、メイドたちの給金は?
孤児院の子どもたちは?
工場を売るか。
倉庫を処分するか。
店舗を手放すか。
――いや、露天からやり直すか?
考える。
計算する。
立て直し案を組む。
だが五分後、また同じ場所に戻る。
なぜだ?
なぜだ?
なぜだ?
思考が同じ溝をぐるぐる回る。
レコード。
万年筆。
新製品の構想。
別のことを考えれば抜け出せると思った。
だが、また戻る。
倒産。
なぜ。
空が、やけに青い。
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あらためて読み返してみた。自分の文章の書き方は本当に駄目だ。よく読んでくれたものが、「報告書」、「日記」とか言っていた。だから、投稿したくはなかったんだ。けれど文章能力は低くても「面白ければ問題ない」とも言ってくれた。




