反撃の狼煙
第55話 反撃の狼煙
屋敷の一室。
寝台に伏すマルペンを見つめ、二人の妻は立っていた。
「旦那様の商会が、何者かによって潰された。」
低く、静かな声だった。
怒鳴らない。
泣かない。
だが、怒りは燃えている。
「原因は不渡りと言われているけれど……。」
秘書でもある妻が、ゆっくり続ける。
「私は帰宅してすぐ金庫を確認したわ。」
「こじ開けられた跡はなかった。」
「つまり、鍵で開けられた。」
部屋の空気が変わる。
「内部の者ね。」
「ええ。」
名前は出さない。
だが、二人の脳裏に同じ人物が浮かんでいた。
「普段から不満を漏らしていたわね。」
「ええ。酒場でも。」
怒りが一瞬、顔を出す。
「締め上げて吐かせる?」
「駄目よ。私たちが犯罪者になる。」
静かに制す。
「証拠を取るの。」
理詰めだった。
「金庫を開けられる人物は限られる。」
「商会口座から引き出したのは誰か。」
「資金の流れは追えるはず。」
「書類の持ち出し記録も確認する。」
怒りは、理性に包まれている。
「証拠を揃え、衛兵に突き出す。」
「それだけでは足りない。」
もう一人の妻が言う。
「商人協会長に話を通す。」
「今日、支払いは済ませた。正式な破産手続きはまだ。」
「ならば、信用は取り戻せる。」
二人の視線が重なった。
「明日から動くわ。」
「ええ。旦那様を守るために。」
窓の外は夜明け前。
暗闇の中で、静かに狼煙が上がった。
これは復讐ではない。
信用を取り戻す戦いだ。
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「ゼロダイバー」とかいう話を考えた。全身武器の体の中に乗り込んで戦う。少年誌にありそうな話です。
よく読んでくれるものからも高評価だった。
一般的にアクション物は評価が高い。




