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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!  作者: 神永ちろる


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ヤマタニ鉄道さらに拡張

第25話 ヤマタニ鉄道さらに拡張


現在の鉄道は単線だった。

蒸気機関車が一台だけ走り、街とサンブレロ村を往復するだけの路線である。

しかし――それでは足りない。


「……これでは、取りこぼしているな。」


ヤマタニは地図を広げ、静かに呟いた。

物資も人も増えている。

蒸気トラック工場部材輸送、サンブレロ街物資輸送、乗客。

すでに列車は、満員になり始めていた。


「運べる量に、上限がある。」


指で線路をなぞる。


「つまり――機会損失だ。」


乗れなかった客。

運びきれなかった荷。

それは、そのまま“金を捨てている”のと同じだった。


「やはり……複線化か。」


線路を二本にする。

すれ違い待ちも、停車もいらない。

列車は止まらず、流れ続ける。

ヤマタニの目が細くなる。


「回転率が上がる……いいな。」


さらに、指はその先へと動いた。


「いや――それだけじゃ足りない。」


ぐるり、と円を描く。


「サンブレロ村を囲む、環状線にする。」


村を一周し、街へ戻る。


「これなら――列車は途切れない。」


通勤客が乗る。

観光客が乗る。

物資が流れる。

列車は、止まらない。


「流れ続ける……血のように。」


ヤマタニは小さく笑った。


「いいな」


さらに思考は加速する。


「観光列車としても使える。」


窓の外には、動く工場群。

煙を上げる煙突。

走り続ける蒸気トラック。

発展そのものが、見世物になる。


「駅では弁当と土産だな。」


乗る前に買い、降りた後にも買う。


「……二重取り、いや三重取りか。」


乗車賃。

貨物運賃。

観光収入。

頭の中で、数字が弾ける。


「全部――黒になる。」


確信だった。

少年たちを駅員として雇う。

少女たちは弁当と土産の販売。

元村人。孤児院の子供たち。


「仕事はいくらでも作れる。」


ヤマタニは、ゆっくりと笑った。


「金も、人も、流れる。」


視線は地図から、街の方へ向く。

煙が上がっている。

音が響いている。

街は、もう動き始めている。


「観光、移動、輸送――。」


一拍置く。


「……いや。」


小さく首を振った。


「これは、“都市”だ。」


机の上の地図には、無数の線が描かれている。

それはもはや、ただの鉄道ではない。

ヤマタニの街、その未来図だった。


「まだ足りないな。」


呟きは、静かだ。

だがその目は――次を見ている。


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