表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/37

20話 買い物

「もう行くのか? もう少しここに居てもいいんだぞ」


「いや……デリントンの街で待っている人達もいる。報告も必要だから、もう行くよ」


「そうか、アマゾネス達はキースの友人だ。いつでもこの村へきてくれ」



 ビアンカはそう言って、キースを抱きしめた。

ビアンカは容姿がきれいで、革の腰巻と革の胸当てしか着けていないので照れる。



「姉さん……私、キースに付いて、一緒に人族の街まで行くわね。人族の街で冒険者になる」


「妹のリタは、あのように言っているが、キースの迷惑になるんじゃないのか? 大丈夫か?」


「リタならスキル『拳士』があるし、良い冒険者になると思う。俺のパーティの仲間になってもらうよ」


「妹が世話になる。リタ、くれぐれもキースの邪魔はしないようにな」



 ビアンカはリタと抱き合って別れを惜しんだ。

リタは嬉しそうに頬を赤くして喜んでいる。

先ほどまでキース達の仲間の中でも意見が2つに分かれていた。



「「私達はリタが冒険者になれるか心配だよ。だってスキル『拳士』だもん。打撃しかできないし」」



 双子達は『拳士』では冒険者になれないという意見だ。



「しかし、『拳士』の打撃もバカにできない威力を持っている。体術では私よりも上だわ」



 アルナの意見では一撃の衝撃はアルナよりリタのほうが上と認めていた。



「キース達の足は引っ張らないから、私を冒険者にして。人族の中で暮らしたいの」



 リタは『拳士』なので、肉体強化の魔法が既にかかっているという。

本当はキースもリタが冒険者になることには反対だったが、強引にリタが話を通してしまったのだ。



「俺達が冒険者が無理と判断した時には、素直に村へ帰るんだぞ」


「ありがとう、キース。絶対に冒険者になって見せるんだから」



 リタはそう言って、キースに抱き着いた。

その様子を見て、双子が機嫌を悪くする。

アルナは面白そうに微笑んでいる。


 アマゾネスの村を出てから四日で西の森に到着した。

西の森からデリントンの街まで街道を歩いて、デリントンの街の壁門へ到着した。

いつもの警備兵が立って、微笑んでいる。



「今回も十日ほどで戻ってきたな。また仲間が増えたようだな。頑張れよ」



 壁門を潜って、デリントンの大通りを通って冒険者ギルドへ行くと、ロミンダが戻ってきたのを嬉しそうに手を叩いている。



「キュプロスは無事に撃退したよ。討伐はできなかったけど、これでアマゾネスの村は平和になった。キュプロスも二度と村には近づかないと思う」


「それは良かったわ。討伐できなかったのは残念だけど、仕方ないわね」



 帰りに魔巣窟の森で討伐してきた魔石と討伐部位を解体所のカウンタ―に出して金貨と交換してもらう。


 そしてリタの冒険者登録が済み、リタが正式にキースの仲間に入った。



「リタはFランク冒険者からスタートね。アルナはDランク冒険者へ昇格。スーラとウーラはCランク冒険者に昇格よ。そしてキースはBランク冒険者に昇格おめでとう」



 そう言ってロミンダがキースと握手する。キースもやっとBランク冒険者となれた。

Bランク冒険者といえば、プロの冒険者を意味する。



「これからリタがデリントンの街で生活するなら、服装を買ってあげるほうがいいわ。いつまでも、革の腰巻と革の胸当てだけで生活できないでしょ。これは命令です」



 確かにロミンダの言う通りだ。このままではリタは目立ってしかたがない。



「わかった。丁度、スーラとウーラのシミッターも二本失ったんだ。防具屋へ行って、リタの防具も買ってくるよ。それに武器屋に行く必要もあるし」


「リタの私服も必要だから、きちんと服屋へ連れていくのよ」


「はい……」



 キース達は冒険者ギルドを出て、大通りにある服屋へ向かう。服屋へ入ると、可愛らしい

店員がキース達の用向きを質問してくる。



「「私達も服を買うから、リタの服も選んであげる!」」



 スーラとウーラの二人はリタにピッタリと寄り添って、服を買うことを手伝ってくれている。

アルナも服屋で服を買うのが初めてらしく、服を見ることを楽しんでいた。


 キースもずいぶんと資金に余裕ができてきたので、四人に服をプレゼントした。

四人は喜んで、服に着替えている。


 これでリタの服は大丈夫だ。露出は多いほうだが一般人と変らなくなった。

さすがスーラとウーラの服選びは的確だ。


 服屋を出て武器屋へ行く。そしてシミッターを二本購入する。これはスーラとウーラの双子が支払いを済ませた。シミッターが双剣に戻って二人ともに嬉しそうだ。


 そして武器屋へ行って、リタの防具を選ぶ。革鎧の上に鉄の胸当てを買って装備させる。

そして指ぬきグローブを買って、リタに装備させる。


 スーラとウーラも鉄の胸当てが気に入ったらしく、リタと同じタイプを購入している。

結局、アルナも胸当てを買い、パーティの女性全員が胸当ての防具を身につけることとなった。


 そしてアルナは革鎧を買い換えて、マントも買い換えていた。

支払いはキースを含む四人で四分割ということになった。


 宿屋へ戻ったキース達は、宿屋の主人に、もう一部屋貸してもらえるように交渉し、キースの一人部屋、双子の部屋、アルナとリタの部屋に分かれて住むこととなった。

これで一日金貨1枚と銀貨50枚なのだから、安いとしか言いようがない。


 宿に戻ったスーラとウーラがキースの部屋へと入ってきた。赤と青のドレスを着ている。

双子にとても似合っていて、大人の色香まで感じる。

アルナは白いドレス、リタはオレンジ色のドレスを着ていた。



「今日は皆でドレスアップしたの」


「そうなんです。だから外へ食べに行きましょう」


「たまには違う場所で食事もしてみたいわ」


「どんな所へ行くのか楽しみです」



 四人はそれぞれ、外へ食べに出かけたいらしい。キースも外で食べることに異存はない。



「それじゃあ、皆で高級食堂へ食べに行ってみようか。今まで贅沢していなかったから、まだ、資金的に余裕があるから大丈夫だよ」



 そして五人は笑い合って、宿を出て、高級食堂へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ