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18話 キュプロス撃退

「自分の腕がどんなものかわからないが、支援魔法には自信がある。味方は十人までしかバフできないけれどね」


「支援魔法使いかい。助かったよ。こちらは少しでも戦力強化が必要だ」



 そう言ってアマゾネスのリーダーが右手を差し出してくる。キースはリーダーと握手を交わす。



「キュプロスは夜になると現れて、朝まで暴れる。まだキュプロスが現れるまでには時間がある。少しは休んでおいてくれ。廃墟にはなっているが、中は使えるようになっている」



 そう言って、アマゾネスのリーダーは廃墟になっている小屋を指さす。



「私の名はビアンカ。何かあったら呼んでおくれ」


「俺の名はキース。そして双子の獣人スーラとウーラ、後エルフの精霊魔法士のアルナだ」



 リタがキース達の先頭に立って廃墟の中へ案内する。中に入ると天井は高く、まだ使えそうだ。



「俺達は休ませてもらう。異変が起きたら呼びにきてほしい」



 そう言って、キースは双子とアルナと四人でザコ寝状態で横になった。魔巣窟の森の中では警戒を怠ってはいけないので、神経を張り詰めていた。

それを一気に解放して、ゆったりと横になるとすぐに睡魔の中へ落ちていった。







『ギャァアウウ』



 巨大な咆哮によって目が覚める。廃墟の隙間から外を覗くと、既に時刻は夜になっていた。



「キュプロスが現れました。皆さん、よろしくお願いします」



 リタが廃墟に入ってきて、キース達を起こす。双子達は欠伸をして、しなやかに体を伸びさせて、戦闘準備に入る。アルナは既に臨戦態勢を整えている。


 外へ出たキースは初めてキュプロスを見た。とにかくデカい。身長は15Mはあるだろう。

足の甲だけでキースの下半身ぐらいあると思う。

腕の太さは魔巣窟の樹木のようだ。



「「あれがキュプロスね。大きいー!」」


「それでは私とキースは精霊魔法で飛翔して向かうことにしよう」



 キースとアルナは体内の魔力を循環させて『肉体強化』をした後に、風の精霊魔法によって飛翔してキュプロスへ接近した。

双子は地を駆け走って、キュプロスの近くで樹木に登って、キュプロスの大きな体に乗り移る。


 キースはキュプロスにデバフの支援魔法をかけた。

紫の粒子がキュプロスを覆う。



『俊敏15%ダウン、膂力15%ダウン、防御力15%ダウン、強靭15%ダウン』



 そして味方の十人までに支援魔法でバフをかける。その中にビアンカとリタも含まれている。

光の粒子が仲間十人の上に舞い降りた。



『俊敏15%アップ、膂力15%アップ、攻撃力15%アップ、防御力15%アップ』



 アマゾネス達は勇敢にキュプロスに強襲をかけている。

双子の2人は双剣のシミッターを抜いて、キュプロスの利き腕を狙う。

アルナは精霊魔法で風の刃を発生させて、キュプロスの首を斬り裂いた。



『ギャァアウウ』



 キュプロスは堪らず大きな咆哮をあげた。

キースの支援魔法のデバフが効いているらしい。

アマゾネスの一撃一撃がキュプロスの体にダメージを与えている。

双子の双剣のシミッターがキュプロスの胸の太い筋肉を引き裂いた。

アルナは風の刃を、風の竜巻にして、キュプロスに襲いかかる。



『ギャァアウウ』



 しかし、キュプロスは無尽蔵に近いスタミナを持っている。近くにいたアマゾネス達を振り払っていく。

ビアンカとリタはキュプロスの膝裏を狙って蹴りを突き刺す。

キュプロスは体勢を崩すが、すぐに立て直して、腕を振って暴れまわる。

双子がキュプロスの腕の一振りに捕まって、吹き飛ばされた。

しかし、樹木にぶつかって止まったようだ。

アルナもキュプロスの腕の一振りにあうが、魔法障壁で腕を弾き返す。


 キースはキュプロスの肩の上に乗って、耳に剣を突き刺して、剥がされないようにしがみつく。

そして、双子がキースと反対側の肩の上に飛び乗ってきた。



「スーラ、ウーラ、目を狙え。キュプロスは目が弱点だ」



 ロミンダからは魔巣窟に住んでいる魔獣の弱点を教えてもらっている。

キュプロスの単眼は硬いが、そこが弱点だと聞いていた。



「「わかったわ、キース!」」



 双子がキュプロスの単眼に四本のシミッターを突き入れる。

デバフで防御力が弱まっているキュプロスの単眼をシミッターが突き刺さる。

たまらずキュプロスが両手で顔を覆う。

その結果、双子もキースもキュプロスから振り落とされた。


 双子は空中でクルクルと体を回転させて、きれいに地面に着地する。

キースはアルナに助けてもらった。


 キュプロスは樹木に身体をぶつけながら、樹木を降りながら森の中へと消えていった。



『ウォオオオー』



 アマゾネス達が両手を挙げて、キュプロスを撃退したことを喜んでいる。

ビアンカとリタがキース達の元へと走ってきた。



「ヤッタな! ありがとう! キース達のおかげだ!」



 ビアンカは美しい顔を赤くしてキースを見つめている。

確かにビアンカの容姿は美しい。



「姉さん、キースはリタが見つけてきたんだからね」



 そうか、リタはビアンカの妹だったのか。

どうりで容姿が似ていると思った。



「これでキュプロスはもう現れないだろう。キース達はアマゾネス村の客人として、ゆっくりとしていってほしい」



 キース達はアマゾネス村の客人として迎えられることになった。

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