表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不破一族の多世界征服記~転生者一族の興亡史~  作者: 伊達胆振守(旧:呉王夫差)
3章 対ミュルクヴィズラント王国戦争
21/206

20 信長戦死の影響

 第3章、スタート。

 1560年12月、松前。


 ここが交易の港であることは、今までにも散々説明したらわかることだろう。

 そして交易の港に入るのは、何も商品ばかりではない。“情報”だって手に入る。

 それも、史実とかには載ってないような面白ネタとかあって、結構楽しいんだよな。



 だが、呑気なことばかりも言ってられない。この歪んだ世界には歪んだ事実も伝わる。

 その一つは、『織田信長戦死の報』である。 



 ◆◆◆◆◆



「織田信長が……桶狭間で戦死したか」


「ああ、そうだな」



 元の世界では戦国一の英傑であったはずの織田信長が、死んだ。

 今川義元の軍勢によって奇襲を見事見破られ、あっさり討ち取られたという。


 このことは、今後戦国時代の行く末に多大な影響を及ぼすことになるだろう。

 

「話によれば、今川軍は尾張を蹂躙しているそうじゃないか」


「残りの織田家の人間も、抵抗はしているが風前の灯火。多分、全員討ち死にも時間の問題だろう」


 報告によれば、信長の兄弟は皆、尾張の北方は美濃、斎藤道三の領地のすぐそこで抵抗しているらしいが、きっとこれは長くもたないだろう。

 こうしてこの世界の歴史は、俺たちが元いた世界の歴史から、完全に離れてしまった。


 いや、「完全ではない」のかもしれない。信長が死んだことで、豊臣秀吉が出てくる可能性はほぼ無くなったが、他の武将は未だ健在。

 史実を辿ればその人の性格や行動パターンは、まだ掴むことができるのだろう。


「……慶広、あんたはこれをどうみる?」


「……天のお導き、といったところか?」


「だとしたら、ミネルヴァさんたちが手助けしてくれたわけか」


「……」


 何にせよ、とりあえず俺たちの第一目標『天下統一』はこれでやりやすくはなったワケだ。

 ならばこの機会、逃す術はない。

 

 すると慶広は、俺にある意見をぶつけた。


「だが武親、信長は死んだが、他にもっと手強い『敵』はいるのかもしれん」


「手強い……『敵』?」


 正直言ってこの時俺は、織田信長以上の強敵を見つけることができなかった。

 確かに、武田信玄や上杉謙信、毛利元就に今川義元、北条氏康といった名だたる戦国大名は生きている。

 

 だが慶広が言いたいことは、その人たちのことではなかった。


「今、ここには余と武親、2人の“転生者”がいる」


「それが……どうしたんだ?」


「考えてもみろ。もし転生者が2人もいる、ということは、他の場所にも“転生者”がいるのかもしれん。もしそうだとしたら、そいつらはどの戦国大名よりも恐ろしい敵になるやもわからない」


「!」


 それまで俺は、転生者は2人だけだと考えていた。

 けど確かに、今まで気づきもしなかったが、言われてみればその通りだ。


 もし転生者が他にいるとすれば、その人たちはもしかしたら俺たちと同じく、「戦国時代の知識を持って転生している」可能性もある。

 そうなれば、第二、第三の「信長」が出てくることも有り得る。

 そうなれば、そいつらこそが一番の難敵だ。

 

 信長は、あまりにも有名だからな。



 それに、この仮説から言えることがもう1つ。

 転生者が他にいるとなれば、「神々の結束も一枚岩ではない」ことだって考えつく。

 それぞれが対立候補を立てて争うということになれば、最後に誰か1人の大名になるまで、戦い続けることになる。


 神々が奏者ならば、俺たち“転生者”はさしずめ、サーヴァントといったところだ。

 もっともあれはトーナメントで、今現実にあるのはバトルロワイヤルだけど。  


 けどそうなれば、『世界征服』どころか『天下統一』すらままならなくなる。


「なるべく、そうならないことを祈るよ」


「ああ、余も心で念じよう」 


 それに本音を言えば、あの信長が簡単に戦死するとはやっぱり思えないんだ。

 史実でも、普通は考えつかない「逃げの一手」で金ケ崎を脱出したんだからな。

 


 その日、俺たちの胸に大きな不安を残して1日が終わった。

 しかし俺たちは“転生者”と対立する以前に、大きな外敵と戦わなければならなかったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ