悪魔
起きて…………起きて……起きて!!
優しく温かい声に導かれるようにフミナは目を覚ます。何が起きているのかわからないがフミナは声の主の言葉に焦りを感じ爆破や騒音が止まない中走り出した
カナタが戻って来れなくなる
声の主は最後にそう言い残した
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「お前は…人を殺して何も感じないのか……!?」
ジュラの問いにカナタは感じないと一蹴、今度はカナタがジュラに問う
「お前たちだって殺しておいて他人がやれば正気じゃ無いと騒ぎ立てる……理解できない」
「何を言ってる……設置した爆弾は全て空き家に」
話を遮るようにカナタは被せて言う
「はぁ………本当気色悪い。もういいもう喋るな。時間が勿体無い」
カナタは一気に駆け、ジュラの頬を切り裂く
早いな…切り落とすつもりだったのに
ッぶな!!たまたま反応出来たから良かったが次はわからない……でもこの至近距離なら!!
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
ジュラは盾を剣に作り変え二本の剣でカナタを襲う。だが数々の死闘を潜り抜けたカナタにその程度の攻撃が当たるはずもなく全て避けられカウンターの蹴りを顎に食らう
「終わりだ」
長い隙の内に一気に近づいたカナタは巨剣でジュラを貫いた
「カナタッ!!」
この声は…
カナタが振り向くとそこには病み上がりで重い体を叩いて来たであろうフミナがそこにはいた。カナタはまるでゴミを投げるように巨剣を振るいジュラを吹き飛ばすとフミナに近寄り無事を確認する
最後の一枚……ここか…
ジュラはカナタの意識が自身に向いていない内に紙を破きその場を後にした
「あちゃー逃げたか……回復されちゃうよな…」
「ねぇカナタ……」
「ん?どうした…」
目が…怖い… 村が焼かれた時の…あの頃の殺す事に躊躇がない…失う事が怖く無いカナタに似てる
「いや……なんでも無い。それより早く救助をしよう」
「そうだな」
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何時間経っただろうか。日が落ちる頃になっても欠け落ちた心は元には戻っていなかった
はぁあと一週間で冬になるってのに余計な事しやがって……ヤハタクザキリソウの備蓄も大してないし、追撃が続くなら何か策を考えないと
カナタはそう考えながら移動させていた四天王、ルミラから持ち物を漁る
あの謎技術の紙も回復ポーション、ヤハタクザキリソウすら無いのかよ…無駄に汚れた。はぁ…ならもういいや
カナタは二つのルミラを引きずり死体の山の中へと放り込んだ
「じゃ付けますね」
皆が涙を流し火をつけるのを躊躇う中淡々と油を撒き火種を投げ入れた




