第71話 解決
寒舟は、薬房を借りて、解毒剤を作った。
すぐに、一番症状の重い長老から、薬を飲ませ、
翌朝………
長老様方の容態は、快方に向かい始めた。
雲修は、薬房で薬瓶を片付けている寒舟に会った。
「そういえば、寒舟先生。長老達の病は、何だったのでしょうか?」
薬師用の白衣を脱ぎながら、寒舟は答える。
「おそらく、自然毒でしょう。人為的なものでは、ありません。再発防止の処置はすませました。」
雲修は、ほっと息をついた。
お婆様と長老達が、元気になられて、本当によかった。
「寒舟様、ありがとうございます。」
「出来る事をしたまでです。」
「お婆様から聞きました。報酬もいらないとおしゃられていたと。」
「ええ。私にとっては、貴重な体験でした。それだけで十分自分の為になったので、報酬はお断りしました。」
「寒舟様、貴方のような立派な薬師は、見たことがありません。天望書院は、いつでも貴方の力になりましょう。」
雲修の差出した手を寒舟は、握り返した。
「よかったら、今夜一杯いかがですか?」
「いいですね。この辺りは、梅花酒が有名と聞いています。」
「はは、ご用意いたしましょう。」
翌朝早く、辰の刻頃。
寒舟は、痛む頭を押さえて、帰路についた。
というのも、盟主からの呼び出しがあったと、麗華からの伝令があった為だ。
朝早く、窓を開けた途端に、大きな鷹が入ってきたので、驚いた………
昨晩は、雲修とついつい深酒をしてしまい、二日酔いだ……
薬師なのに、面目ない。
寒舟の身体は、万毒不侵ではないので、ちゃんと酔っぱらう。
自分で作った、薬を飲み干し馬車の外を眺める。
移り行く景色。
徐々に、都が近づいてくる。
何故か、不安が胸をよぎる。
嫌な予感がする…………




